軽自動車最上レベルのコーナリングでの安定感を持つモデルも
4)スズキ・ワゴンRスティングレーターボ
ワゴンRのアメリカンなスポーティーエアログレードがスティングレー。その15インチタイヤを履くマイルドハイブリッドターボの乗り心地はやや硬めながら、サスペンションがよく動き、段差やマンホール越えでのショック、振動は軽微。ワイルドな顔つきよりずっと洗練された乗り味を示してくれるのだ。
操縦性は穏やかかつリニアで扱いやすく、カーブなどでのロール感も自然で安心感たっぷり。動力性能は軽量ボディーの恩恵でNAでも十二分だが、このターボになれば一家に一台のファーストカーになりうる余裕がある。ただしターボはCVTのギア比を燃費方向に振り、できる限り低いエンジン回転数を保とうとするため、低速域でのフレキシビリティーに不満を感じるシーンがないわけではない。ワゴンRターボが活発になり、走りやすくなるのはエンジン回転が2000回転を超えてからというイメージだ。
しかもターボモデルの車重は800kgと超軽量で、JC08モード燃費は28.4km/Lと抜群。元祖ハイトワゴンならではのパッケージ、室内の広さなどを含め、商品力の高い軽ターボと言っていい。
5)ホンダN-WGN
ホンダの軽ラインアップとしては決して新しくはないが、実用軽としてもっともホンダらしい1台がN-WGN(エヌワゴンと読む)。とくにN-WGNカスタムターボに乗り込めば、インテリア&シートの上級感、シートの厚み感あるかけ心地の良さに驚かされる。
精悍なボディーの空気抵抗値は社内測定で0.31を誇り、それはライバルメーカーのより低全高な燃費スペシャルモデルに匹敵。軽自動車としては贅沢すぎるツインインジェクションシステムやナトリウム封入バルブ、電動パワーステアリングのオメガフィードッバック制御、リバウンドスプリング付きダンパーなど凝った技術をフル搭載。カスタムはフロントスタビライザーも備え、走りに対するこだわりがハンパではない。
15インチタイヤを履く走りは、まさにNシリーズのホットバージョンと言うべきもの。ステアリングはズシリと重く、乗り心地もまたドシリとした重厚さと硬さが身の上だ。動力性能は余裕十分で、エンジンは回すとスポーティーな快音を放ち、カーブでの安定感は軽自動車最上レベルと言っていいレベルにある。それでもJC08モード燃費は26.0km/Lとハイレベル。ホンダセンシングは未採用。