自動運転は次のステージへ
さて、今年のCESで、オートモーティブ関連での動きを総括すると、注目されるのは自動運転における新たなる動きだ。たとえば、トヨタはレクサスLSをベースとした「ガーディアン」という自動運転の考え方を自動車産業界やIT産業界にオープン化すると発表した。
自動運転といえば、自動運転レベル1〜5という表現が使われている。これは、米自動車技術会(SAE)が作成した考え方であり、自動車メーカーはこれを基盤として技術開発を進めてきた。一方、トヨタがいう「ガーディアン」は、SAEの自動運転レベルとはまったく別の考え方で、「自動運転における、人とクルマとの関わり方をより具体的に考慮するもの」だという。
こうした動きの背景には、自動運転の社会実装がある。これまで自動運転は、初期的な技術開発や、限られた場所での実証試験の段階だったが、より高度な自動運転が量産される時代になってきた。そうなると、法律だけではなく、社会に自動運転が受けいれられるための具体的な障壁が見えてくる。
トヨタのみならず、メルセデス・ベンツ、アウディ、日産、ホンダ、ヒュンダイ・キア、フォード、FCAなどの自動車メーカー、さらにはボッシュ、コンチネンタル、バレオ、アイシンなど自動車部品メーカーも、自動運転の量産化を根差した、より具体的な内容の展示が数多かった。