官能的なフィーリングを味わえる珠玉の存在
大排気量NA(自然吸気)エンジンのフィーリングは蜜の味。太いトルクを持ちながら、エンジン回転が上がるにつれてパワーが噴出し、とろけるような官能的な感覚に包まれる。やっぱり一番気持ちイイ内燃機関はこれだろう。
ところが、「大排気量NAエンジンはもう終わり」と言われて久しい。いったいなぜなのか。
理由は簡単。どうやっても燃費が悪いからだ。たとえば私が所有していたフェラーリ458イタリアは、4.5リッターV8で570馬力という性能だったが、燃費は高速巡行のみでも6km/L強が精一杯。ゆっくり流してもそれくらいしか行かなかった。いつも「ガソリンさん一体どこに消えちゃったの?」と不思議でした。
もはや大排気量NAではどうにもならないということで、フェラーリもV8エンジンはすべてターボ化した。おかげで488は、同じような条件でリッター7~8キロ走るようになった。
レクサスLXのエンジンは、5.7リッターV8のNA。コイツもメチャメチャ燃費が悪く、高速巡行でリッター7キロには届かなかった。なにせJC08モードは6.5km/Lだ。さもありなん。
もちろん、ガソリン代など気にしない富裕層もたくさんいる。大排気量NAエンジンを好むのはそういった層で、彼らがそっぽを向くとは思えないのに、いったいナゼ?