ユーザーが知らない「下取り額」が値引きに上乗せされることも
たいていの商品は自宅でパソコンやスマートフォンを使って購入でき、しかも翌日には自宅まで配達してもらえるいまの時代。新車を買う時は取扱いディーラーまで出向き、しかもセールスマンと膝を突き合わせて商談して値引きを引き出さなければならないことを面倒に思う人も多いはず。いまどき新車がなかなか売れない背景にはこのような面倒なことが嫌われていることも大きい。
アメリカではすでに、ディーラーの専属担当者とチャットでの商談が可能。地元密着の値引き比較サイトも充実し、そのまま気に入ったクルマの扱いディーラーとチャットでの商談も可能となっている。さらに購入車両の自宅までのデリバリーサービスがあるとのこと。
日本がここまで一気にサービスが進むのは、アメリカとは新車の登録制度などが異なることもあり、なかなか難しいところ。それならば、せめて商談時にセールスマンが初回から最大値引きを提示してもらえないものか? と考えるひとも多いだろう。
実際セールスマンの商売のスタイルは“十人十色”。「私は駆け引きが嫌いなので、一気に限界まで値引きますよ」といって“40万円引き”などと驚きの値引き額を提示してくるケースもあるが、こんな時は眉唾ものと考えてもらいたい。ベテランセールスマンほど、実際の値引きより多く出ているように、“値引きを膨らませて見せる”ことができるのである。
その一例としては、下取り車が低年式なのに、海外バイヤーなどに人気の高い車種で想定外の査定額がつくとする。しかし、査定額を控え目に提示し、その差額を値引き額に上乗せして見せることなどをしている。一発提示の大幅値引きには“仕掛け”があると思ってもらいたい。今の日本では労せずして好条件はなかなか獲得できないのである。