日本での販売は未定となるSシリーズ史上初のアメリカ専売モデル
SUBARUのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(略称STI)はデトロイトモーターショーにて、STIコンプリートカーの最高峰「Sシリーズ」を米国市場初のモデルとして“S209”を発表した。
Sシリーズといえば、これまで2000年に発売されたIMPREZA/WRXは、 S201からはじまり、S202、S203、S204、S206、S207、S208とラインアップしていた。
しかし、いずれも日本国内での限定販売というのが原則であり、海外のSTIファンにしてみれば、まるで手の届かない存在であった。アメリカ市場に力を入れているSUBARUからすれば、プレミアムなスポーツカーを投入してほしいという声は大きかったのだろう。今回発表されたS209は、そんな声に応えるべくアメリカでの限定販売を行うとしたのだ。
カンファレンスでは、スバルテクニカインターナショナル株式会社の代表取締役社長である平川良夫さんが登壇。アンベールされたS209のとなりには、STIコンプリートカーシリーズの原点とも言える IMPREZA 22B STI versionが飾られており、まさに米国においてS209は22Bのような存在であるということを主張する内容となっていた。
S209は、341hp(開発目標)という歴代Sシリーズのなかでも最高レベルの出力を誇っている。EJ25エンジンをベースに、専用チューニングを実施。専用の大型エアクリーナーや吸気ダクトを採用することで効率的なエアインテークシステムを構築している。また、専用開発の大型ターボチャージャーを配置し、専用設計の鍛造ピストンや鍛造コンロッドの採用で安心感とハイパワーを両立するのだ。
足まわりには、専用開発のビルシュタインダンパーと専用コイルスプリング、強化ブッシュを採用。ダンロップ製265/35R19ハイブリップタイヤと、BBS製19インチ鍛造ホイールの組み合わせで、これをオーバーフェンダーで拡げられた専用ワイドボディに収めている。
フレキシブルタワーバーやフレキシブルドロースティフナーといったSTI専用パーツも健在で、とくにリヤのフレキシブルドロースティフナーは、後席とトランクをつなぐボディ境界部に設置されており、いかにも効果がありそうな場所となっている。
今回は米国専用モデルとして発表されたS209であるが、スペックを見れば見るほど走らせてみたくなる仕様となっている。日本での発売は未定とのことだが、ぜひとも日本のサーキットやワインディングロードを走っている姿を見てみたいものである。