カルロス・ゴーン問題で注目されるのは日産ばかり!  三菱とルノーは果たしてどうなる? (1/2ページ)

ルノー・日産・三菱自の三社は電動化技術のトップランナー

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長をめぐる事案は、いくつもの案件とあまたの思惑が指摘されるものであり、互いの主張も真っ向としている。現時点ではその内容を理解することも評価することも難しい。

 とはいえ、この一件によって世界トップの規模であるルノー・日産・三菱自のアライアンスが、どうなっていくのかはいくつか予想ができることもあれば、まったく予想できない領域もある。稀代のリーダーシップを持つカルロス・ゴーン氏によりまとまってきたアライアンスは、どうなっていくのだろうか。とくに三菱自動車の今後は気になるところだ。

 ルノー・日産・三菱自アライアンスの誕生は2016年であり、2017年秋には中期計画が発表されているように、すでにスケールメリットを活かすプロジェクトは動き出している。具体的にはプラットフォームやパワートレインといった開発コストのかかる領域における共通化・共有化が主なところだ。すでにルノー日産ではプラットフォームの共通化は進んでいるが、そこに三菱自動車を加えることで、さらなるシナジーを創出しようというわけだ。

 さらに、そこにはダイムラーも部分的に仲間に加わっているから興味深い。三菱自動車にとっては、かつての親会社であり因縁の関係といえるかもしれないが……。

 また、ルノー・日産・三菱自といえば、いずれも電動車両においてはトップランナーといえるメーカーだ。ルノーと日産はピュアEVに積極的であるし、三菱自動車がアウトランダーで実用化したPHEV(プラグインハイブリッド)技術は、アライアンスのなかでもリスペクトされているという。

 いずれにしても、大容量・高出力バッテリーや高効率モーターは電動車両に欠かせないデバイスである。いまや世界最大級の自動車メーカーアライアンスであり、電動車両もリードする各社がモーターやバッテリーといった部品を共通化するメリットは大きい。テクノロジーの進歩、コストダウンの両面でメリットがある。さらにプラグインの電動車両においてはインフラ整備も重要で、アライアンスの効果はそうした面でも期待できる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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