立体駐車場へ入庫できるかがポイントのひとつに
世界的にブレークしているクロスオーバーSUVには興味津々ながら、本格SUVまでは必要なし。扱いやすくて燃費も良く、比較的手ごろな価格のクロスオーバーモデルはないものか? 今なら、あります、いっぱい。
ここで紹介するのは、乗用車ベースのライトクロスオーバーモデル5台。しかも、ただSUVテイストがあるだけじゃなく、クロスオーバーモデルならではのメリットもあるので、そのあたりからまずは説明したい。
クロスオーバーモデルは、タフネス感を演出するための外観上の専用装備、大径タイヤなどを採用するほか、最低地上高を30mm〜70mm高めているのが大きな特徴だ。メリットとして、それでも全高は1550mm以下で、立体駐車場への入庫は可能。大きな段差や悪路を乗り越えやすい走破性に加え、シート位置が適度に高まるため、長身の人や足腰が弱ったシニアな人でも身をかがめて乗る必要がなく、スムースに乗降できる。さらに視界も高まり、より爽快なドライブを楽しめるわけだ。たかが30mm程度でも、乗降性、周囲の景色の見え方は結構違う。
1)マツダCX-3
マツダはCX-8、CX-5のような大型、中型クロスオーバーSUVが人気だが、それをスケールダウンし、より都会の使い勝手に特化させたのが、もっともコンパクトなCX-3だ。なにしろベースはデミオ。ミニマムな後席スペースにクレームを付けるとしたらお門違いで、CX-3は前席優先の都会のカップルズカーがコンセプト。
インテリアのオシャレ度、質感、コンパクトカーらしからぬ先進安全支援機能の充実度もポイント。デビュー当初はクリーンディーゼルのみだったが、今では女性ユーザーの声に応えた、200万円ちょっとから手に入るガソリン車も用意。6速AT、6速MT、2WD、4WDが選択可能な点にも注目したい。全高は1550mm。CX-5の1690mmに対して圧倒的に低く、立体駐車場への入庫も容易だ。
2)トヨタC-HR
国産クロスオーバーモデルで飛ぶ鳥を落とす勢いなのが、2018年国産SUV販売台数No.1のC-HR。多くのクロスオーバーモデルと違うのは、プリウス一派でありながら、走りを欧州の道で徹底的に鍛え上げていること。TOYOTA C-HR Racing仕様が早くもドイツのニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦し、完走を果たすなど、コンセプトカーさながらのデザインに加え、走りにもかなりの開発エネルギーを注いでいる。
プリウス譲りのHVシステム(1.8リッターエンジン:98馬力/14.5kg-m、モーター:72馬力/16.6kg-m)を搭載するハイブリッドのほか、1.2リッターガソリンターボモデルも選択でき、今なら超オシャレな特別仕様車、Mode-Nero、Mode-Brunoも登場。
全高は1550mmと、立体駐車場への入庫も可能。運転席のサイドシル地上高は約415mmと、SUVとしては低め。サイドシル段差、幅も適切で、ちょっと背の高い乗用車感覚で乗り込める。JC08モード燃費はHVが30.2km/L、ガソリンターボが16.4km/L。ガソリンターボの4WDが15.4km/Lと、HVの燃費性能が際立っている。HVの実燃費は高速70%、市街地30%で21.6km/L。ライバルを凌駕することは間違いない。HVモデルならAC100Vのコンセントが用意されている点もライバルにない強みとなるだろう。