販売台数でルノーを上まわる日産! それでも提携を続ける意味とは? (1/2ページ)

アライアンスにカルロス・ゴーンという個人は関係ない

 本稿執筆時点で、日産前CEO、カルロス・ゴーン容疑者は東京拘置所に拘留されており、一連の事案について、未だに解明されていない。こうした状況で、日産の今後を考察するのは、当然ながらとても難しい。

 その上で、本稿では一般論として、ルノーと日産との提携の今後について考えてみたい。

 販売台数でみれば、日産単体でルノー単体を上まわっており、親子関係が逆転しているように感じる。だが、これはあくまでも台数ベースでの話であり、資本関係ではルノーが日産の経営を行使する力が大きいことに変わりはない。

 そもそも、日産がルノーとの提携を選んだ理由は、経営悪化した状況からの転換を自らの手ではなく、社外に求めたことにある。当時、銀座の日産事業所の最上階にいた経営陣たちは、自らの手で日産改革をすることを諦めたのだ。

  

 提携直後から、ルノーは日産に対して、旧態依然とした系列体質から脱却、組み立て工場など不採算部門の整理統合、そして人員整理などの大ナタを振るった。その最終決定を下したのは、前CEOという個人ではなく、あくまでも日産に資本参加したルノーという企業である。

 結果的に、いわゆるV字回複を果たした日産は、パワー88などの中期経営計画による達成目標を明確化させ、経営が安定した。

 企業経営はあくまでも、結果ありき。その過程で行われたさまざまな不正については正されるべきだ。しかし現時点では、そうした不正が「数字の上では」日産の事業の本体を大きく揺るがす規模には至らないと思われる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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