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ドイツの名門ポルシェがディーゼルからの撤退を表明したワケ (1/2ページ)

ドイツの名門ポルシェがディーゼルからの撤退を表明したワケ

あまりに厳しいCO2排出量の規制が電動化に拍車をかける

 昨年ポルシェがディーゼルからの撤退を表明した。そして2019年は欧州で、2020年には日本国内でも電気自動車(EV)タイカンが市販される予定だ。

 ポルシェのようなスポーツカーメーカーも含め、欧州自動車メーカーが高級車を含めたディーゼル化を進めた背景にあるのが、二酸化炭素(CO2)排出量を削減しながら、圧倒的な動力性能を維持しようとしたためだ。

 またポルシェは、スポーツカーとしての911のほかに、乗用のパナメーラやSUVのカイエンなどを車種構成に加え、これが販売実績を大きく押し上げてきた。それら上級車種は車両重量が重く、簡単には燃費改善(CO2)削減はできない。そこで、ディーゼルターボエンジンに依存してきた。

  

 しかし欧州では、2021年にはCO2排出量を95g/kmにしなければならない規制が開始される。これは日本の燃費表現を用いれば28km/Lほどの数値に概算でき、この燃費性能はエンジンだけで簡単には達成しがたい。そこで、ハイブリッドを含めた電動化が目指されている。

  

 そこにVWのディーゼル排ガス偽装問題が起き、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に尿素SCR(選択還元触媒)の装備が不可欠な情勢となり、なおかつ電動化の装備を加えると原価が高騰する恐れが出る。また、車両重量も増加傾向で、また尿素SCRには尿素水の補充が不可欠なため、超高速で連続走行するようなポルシェの使われ方を想定すると、所有者にとってその手間は他の乗用車に比べ見逃せない可能性もある。

  

 95g/kmというCO2排出量規制は、何もディーゼルエンジンだけでなくガソリンエンジンも同様であり、元々CO2排出量においてはディーゼルに対し分の悪いガソリンエンジンも、電動化なくして達成は難しい。したがって、エンジンそのものに対する逆風がより強まることが予想されるのである。

  

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