トラブル後にかかるコストを考えてもテンパータイヤが優勢
パンクなどのタイヤのトラブルで、走行し続けることができなくなったときにお世話になるのがテンパータイヤ。
テンパータイヤは、「テンポラリータイヤ」の略で、「間に合わせ」用の応急用タイヤという意味。スペースセーバータイヤという呼び方もあり、ノーマルタイヤよりも細く小さいサイズになっていて、原則として駆動輪への装着はNG。最高速度は80km/h以下で、走行距離も100km以内というのが目安になっている。
最近では道路もよくなり、タイヤ自体のクオリティも上がったことでパンクのリスクが減り、車検時にスペアタイヤの搭載義務がなくなったこともあり、低コスト、軽量化、部品点数、トランク容量の確保、サイズの多様化などの理由から、テンパータイヤの代わりにパンク修理キットを搭載したり、ランフラットタイヤを装着するクルマが増えてきている。それでも、テンパータイヤならではのメリットがある。それは圧倒的な安心感。じつはパンク修理キットで対応できる症状はかなり範囲が限られている。
・4ミリ以上の刺し傷や切り傷
・タイヤの側面の傷
・ほとんど空気が抜けた状態で走ってしまった場合
・タイヤがリムから外れてしまった場合
・ホイール本体、とくにリム部にダメージがある場合
・パンク修理剤の有効期限(約4年)が過ぎると使えない
これらのケースでは、パンク修理キットは役に立たない。また、パンク修理キットで補修したタイヤは、基本的に再使用できなくなり、タイヤの買い替えが必要になる。
その点、テンパータイヤがあれば、たとえタイヤがバーストしても、テンパータイヤに交換することで、100km以内なら移動可能。パンクしたタイヤの傷が小さければ、専門店で修理して再使用することもできるので、コスト的にもメリットがある。また、後方からクラッシュしたときには、ボディの補強パーツとして役立つことも……。