今どき大切な安全装備はアルヴェルが充実する
ただし装備は、この程度の違いに過ぎない。むしろ緊急自動ブレーキを作動できる安全装備と運転支援機能は、アルファード&ヴェルファイアが充実する。対象物を把握するセンサーが、ヴォクシー&ノアは赤外線と単眼カメラ、アルファード&ヴェルファイアはミリ波レーダーと単眼カメラになって設計も新しいからだ。後者は昼夜の歩行者と昼間の自転車に対応するなど性能を高めた。
さらにアルファード&ヴェルファイアには、全車速追従型のクルーズコントロールが装着されてドライバーのペダル操作を軽減する。ヴォクシー&ノアにはこの運転支援機能が備わらない。
これらの装備と、ヴォクシー&ノアのエアロパーツなどはちょうど吊り合いが取れるから、選択を分けるのは40万円に相当するヴォクシー&ノアのハイブリッドと、アルファード&ヴェルファイアの広い車内や乗り心地を含めた質感だ。
一般的にいえば、アルファード&ヴェルファイアが買い得と判断される。ベーシックなXは法人需要も視野に入れ、機能や装備、質感の割に価格を安く抑えた。
数年後の下取査定は、アルファード&ヴェルファイアXにはエアロパーツや上級装備が採用されず、地味なグレードだから若干不利になることも考えられる。
しかしアルファード&ヴェルファイアは中古車輸出も活発で、日本国内でも人気の高い憧れのミニバンだ。ハイブリッドシステムとエアロパーツを兼ね備えたヴォクシー&ノアと比べて、数年後の売却時に大差を付けられる心配はない。
JC08モード燃費はアルファード&ヴェルファイアが11.6km/L、ヴォクシー&ノアのハイブリッドは23.8km/Lだから燃料代は約半額で済むが、ユーザーの総合的な満足感が高いのはアルファード&ヴェルファイアだ。つまりXは、隠れた買い得グレードになっている。