新車セールスマンは辛いよ!? 本当にあった風変わり客との商談話3選 (2/2ページ)

昔は現金一括払いゆえの大幅値引きも!

■懐から札束を出して値引きを迫る客

 週末フェア開催時、ショールーム入り口で待機していると、フルスモークのVIPセダンがやってきた。「なんかヤバい感じがする」と思いながらも、そのクルマに駆け寄ると、いかにもヤンチャな風貌の夫婦と、やはり見た目完全にヤンチャな20代と見られる息子の三人連れであった。

 母親用のセカンドカーを探しているとのことで、折り込みチラシに載っていた、1300㏄のコンパクトカーに興味があるとのこと。ほかに検討しているライバルはいないようなので、一発提示で限界に近い値引きを計上した見積書を見せると、何やら三人で相談をしていた。

 そして相談が終わった途端に、父親が懐から帯封のついた札束と銀行の袋に入ったぱっとみで数十万円の紙幣をポンとテーブルの上に置いて、「この金額にならないか」と凄んできた。

 提示した条件よりさらに値引きしないと、その現金の金額にはならないので、上司のところへ行き説明すると、現金ですぐ払うのだからその値引き額でもいいだろうということになったが、「何か理由をつけて、正式契約はのちほど自宅でさせてくれとして自宅を見てきなさい」と指示されたとのこと。

 この話は少し前のものなのだが、いまでは資金洗浄の防止や、セールスマンの持ち逃げなどを防ぐ意味から、現金は口座振り込みを原則とする新車ディーラーも多い。しかし昔は現金を積んで「この金額にしてくれ」としてくるお客は結構いたとのこと。

 ただ帯封がしてあってもその場での金額確認はお互いの信用のためやることになっていたので、このケースでも帯封を解いて枚数を数えようとすると、「信用できないのか」と凄まれたとのこと。契約後自宅を見に行くと、現金決済の多い自営業をしていることがわかり、問題ないとのことになったそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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