90年代スポーツカーの高騰が続くなかまだ買いやすいモデルは存在
旧車、そしてネオヒストリックの高騰が叫ばれて久しいが、まだ値上がりしていないクルマはある。ひと儲けなんていう邪心は別としても、それゆえ、持っている人は大切にして欲しいし、これから買うという人も買い時をうまく判断したいところだ。
まず、値上がりする条件を1990年代のクルマで考えてみよう。今までなら、希少性というのがあるだろうが、1990年代ともなると、クルマ社会が成熟したこともあって、希少性=不人気車だ。当時は高くて買えなかったというのはあったが、雲の上の存在でもなかったのは事実。またバブルの名残りもまだあったので、買おうと思えば買えた。
たとえばNSXの初期は、1000万円を切った価格だった。1990年代初頭のセンチュリーもしかりである。不人気車からの一発逆転、人気モノというのはなくはないだろうが、やっぱり人気がなかっただけと思っていい。そうなると、パーツの供給も早く止まり、維持も大変になる。
1990年代の場合は、まず個々のクルマというよりもジャンルに注目したい。それが今や絶滅寸前のスポーツカーだ。ミニバンやワゴンはさすがに趣味性がほとんどないので価格が上昇するのは考えられないし、実用車ということで耐久性はそれほど長くなく、走行距離も進みやすく、そもそもの中古車が少ない。
スポーツカーであれば、1990年代にはたくさんあったし、それこそバブルの名残りで作りもしっかりとしたものが多かっただけに、致命的な欠陥は少なく、パーツも走る、止まる、曲がるといった走るのに最低限のものは供給されているから安心だ。
今まで、さまざまなスポーツカーの中古車を取材してきたが、そのなかで台数はあまりないが、今後値上がりしそうなクルマを4台紹介しよう。
1)ホンダNSX(初代)
バンバン、値が上がっていそうだが、じつはそれほど高くない。タイプRなどは2000万円超えだが、標準車となるクーペは500万円前後で程度がいいものが買える。
2)トヨタMR-S
トヨタMR2はAW(初代MR2)がパーツなどの問題で維持がかなり難しい。さらにSW(2代目MR2)は海外にけっこう出てしまってタマ不足。あればそんなに高くないので狙い目だが、後継車のMR-SはMR2からキャラが一転してしまったので、価格も安め。ただし、ミッドシップが手軽に楽しめるという点では注目だ。