ドッグライフプロデューサーが厳選した5台のクルマを紹介!
ドッグフレンドリーカーと言うと、大型のステーションワゴン、SUV、ミニバンを想像しがちだが、じつは200万円以下のコンパクトなクルマのなかにも、モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーの私が認めるドッグフレンドリーカーが存在する。
面白いことに、その多くは、Honda Dog(ホンダドッグ)というウェブサイトを持つ、長年、犬とクルマ、その周辺情報を発信し続けているほぼ唯一の自動車メーカーのホンダ車だ。
1)ホンダ・シャトル
筆頭はホンダ・シャトル。じつはドッグフレンドリーカーとしても優れたパッケージを創出するセンタータンクレイアウトを採用した低床自慢、フィットベースのコンパクトワゴンである。ラゲッジルームのフロア地上高が約54cmと、世界のステーションワゴンのなかでもっとも低い部類で、犬の乗降性が抜群なのはすぐにわかるのだが、意外なるドッグフレンドリーポイントが、リヤドアからの犬の乗降性の良さ。その理由は後席、後席格納時の低さにある。
後席通常時の座面の高さは約59cm。これでも世界のステーションワゴンのラゲッジフロア地上高平均値の約62cmより低いのだが、後席をフルフラットに倒したときのリヤドア部分のフロア地上高はさらに低い約56cm。
つまり、ラゲッジ側からでもリヤドア側からでも犬の乗降性は抜群。最大ラゲッジフロアは奥行き約184cmにも達し、愛犬とゴロリと横になってくつろぐことさえできる空間の持ち主なのである。ラゲッジフロア下にも収納があり(ガソリン車のほうが容量大)愛犬グッズをしまってやるスペースにもまったく困らない。
価格はHVだと約208万円からになってしまうが、ガソリン車のGホンダセンシングなら先進安全支援機能完備で約177万円。ナビなどを付けても200万円以下に収めることも可能なのだからじつにお買い得。後席格納時のラゲッジフロアに対応するラゲッジマット、Honda Dogシリーズの最近グレー色が加わったペットシートマットなどのアクセサリーの充実度、便利さも見逃せないポイントだ。
2)ホンダ・フリード+
フリードの2列シートバージョンとなるホンダ・フリード+は、もはやペットのプロ関連のみなさんにもおすすめできるドッグフレンドリーカー。段差のない履き出しフロアの地上高が約39cmとごく低い、両手に犬を引いていても足で自動開閉できるスライドドアからの犬の乗降性の良さもさることながら、FF車のラゲッジ地上高は冗談みたいな約33.5cm。これはスロープ仕様と車体を共用しているためで、シニア犬、小型犬でもラクラク乗降可能。
ワイパブルな荷室用ユーティリティボードを使い、ユーテイリティフックを活用すれば、大型クレート(犬の入れるケース)などの積載も容易。車中泊にも適していて、豊富なアクセサリーを装備することで、愛犬との遊びは自由自在。ラゲッジフロアの最大長は198cmに達する(リラックスベッドモード時)。
ただし、ラゲッジルームの床に犬を乗せると、フロアが低すぎて振動などが心配。分厚いクッションを敷く必要があり、なおかつ後席背もたれによって、キャビンからまったく見えないので、工夫が必要。できれば乗り降りしやすい後席に乗せてあげたい。
3)ホンダ・フィット
そして意外なるホンダのドッグフレンドリーカーが、おなじみのホンダ・フィット。その理由は、シャトル同様のリヤドアからの犬の乗せやすさ。後席の座面高が約59cmと低く、それだけでも犬の乗降性に優れているのだが、後席をフラットかつ沈み込むように畳むと、フロア地上高はなんとより低い約56cmになるのだ。
6:4分割の後席の片側を格納した状態で犬をリヤドアから乗せれば、格納フロアを廊下にして、犬は歩いてラゲッジルーム側に移動することも容易。センタータンクレイアウト採用によるパッケージングの魔法は、こうしたドッグフレンドリーポイントにも大きく貢献している。