背高でも凄い! レーシングドライバーが納得する「走り」をもつ現行SUV5選 (2/2ページ)

高級セダン並の上質さと静粛性を兼ね備えたモデルも

3)メルセデス・ベンツG550

 オフロードSUVの本格的クロカンモデルとして伝統と歴史を積み重ねてきたGクラス。今年フルモデルチェンジを受け大幅な進化を果たしたのだが、その走りが素晴らしかった。

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 前後アクスルを備える伝統的なメカ4WDでありながら、重いアクスルを感じさせないフラットでしなやかなサスペンションが与えられた。

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 クイックなギヤ比があたえられた電動パワーステアリングの採用で、スポーツカーのような少ない操舵でライントレースができる。また、轍やかまぼこ状路面でも優れた直進性を発揮。オフロードでは路面からのキックバックが遮断され安心感も高まった。悪路走破性は軍用レベルであり最大渡河性能は60cm以上を誇っている。

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 それなのに室内の快適性はすこぶる高い。メルセデス・ベンツSクラスに乗っているより快適と感じられるほど遮音、防振に優れ質感も高い。ディーゼルモデルが追加されさらに魅力が増す。

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4)BMW X3 20d

 乗用ベースのSUVとして世界中のメーカーがベンチマークとしてきたのがBMW X3だ。そのパケージングの良さはセダンからの乗り換えを容易に感じさせ、さらに多目的性が加わって魅力を発していた。

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 だが正直言って、初代、二代目までは走りに関して好印象ではなかった。高い車高による重心高さによりコーナリング性能がスポイルされ、BMW車として相応しいと感じられなかったのだ。

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 しかし現行モデルとなり走りが大きく進化した。ダンピング特性に優れたサスペンションはロードホールディングを確実に得ながらも快適性を損なっておらず、ステアリングプレシージョンにもBMWらしさが復活した。快適な室内、質感の高い造り、走りも素晴らしくパッケージングも優れている。このクラスのベンチマークとして改めて他社がマークすべき存在となった。

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5)ランドローバー・レンジローバー・スポーツ

「砂漠のロールスロイス」と異名を取るレンジローバー。英国車らしい豪華でクラフトマンシップに溢れるハイセンスなインテリアが魅力だが、オンロードでの走りも抜群になった。

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 スポーツは車高調整式エアサスを装備し、高速走行では重心を下げる。乗降時に片側を下げるサービスモードも備え実用性も高い。オフロード性能は言うに及ばずで電子制御はあらゆる走行環境を想定し完璧に備えている。最新のディーゼル搭載モデルは燃費にも優れており魅力的だった。

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 最近ではロールスロイスやベントレーといった超高級車メーカーもSUVをラインアップし、スーパーカーメーカーのランボルギーニですらウルスを登場させている。SUVフェラーリ登場もカウントダウン状態にあり今後もSUV市場は増々活況を呈すことになりそうだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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