大容量ラゲッジを持ちミニバン的にも使える優等生
3)ルノー・カングー
ユーティリティを極めた実用車としては、欧州では働くクルマとして大活躍しているルノー・カングーが挙げられる。
両側スライドドアの便利さは言うまでもないが、注目はバックドアの開閉方式。ミニバンのほとんどは上開き。すると、上り坂などで止めた場合、転がりやすい荷物が一気に飛び出してくる。活発なペットも飛び出してくる危険性がある。しかしカングーのバックドアは観音開き。少しずつ開けることが可能で、荷物、ペットの飛び出しを防ぐことができる便利さがある。広大な室内空間にも日本車真っ青な工夫満載である。
前席頭上にバックパックや帽子などまで収納できる巨大なオーバーヘッドコンソールがあるだけでなく、後席頭上にも航空機のような3連式オーバーヘッドボックスを完備。フロアがごく低く、重い荷物の出し入れやペットの乗降にも便利なラゲッジルームは後席を倒すことでラゲッジの奥行きは通常時の約78cmから約166cmに拡大。フロア幅は約116cm、天井高は約123cmもあり、小さな引っ越しもできるスペースになる。
しかもラゲッジルームはトノボードによって上下2段で使うことも可能。あたりの風景をパリに変えてくれるデザイン、存在感だけでなく、使い勝手もまた抜群の、国産実用車を圧倒する超実用的フレンチエクスプレスなのである。