性能向上よりもドレスアップと音を楽しむ目的が主
かつてはマフラー交換といえば、スポーツカーの定番チューニングで、その目的は排気効率の向上による、パワー&トルクのアップ。しかし、最近ではセダンやミニバン、SUVなど、スポーツカー以外でもマフラーを交換しているクルマを多く見かける。
彼らがマフラーを交換する目的の大半は、ドレスアップだろう。
愛車を自分好みにカスタマイズしたいというのは、乗っている車種を問わず、クルマ好き共通の性!?
ミニバンやSUVユーザーにとって、エアロパーツと大径ホイール、そしてマフラーは、ドレスアップの3大要素になっていて、とくにマフラーに関しては、リアビューを引き締めるためのアイテムとして、デザイン重視で選んでいる傾向がある。
大手マフラーメーカーも、エアロパーツや大径ホイールでドレスアップしたミニバンやSUVにマッチする、デザイン的にインパクトのあるマフラーをラインナップしていて、素材(ステンレスなど)や音量なども工夫している。
とくに音量に関しては、年々基準が厳しくなっているとともに、ユーザーサイドも迫力あるサウンドよりも、静かな住宅地でも気兼ねなく走れる低音量の車検対応マフラーを好む人が増えてきている。
目立ちたがり屋の人は、音量が大きめの方がいいと思っているかもしれないが、うるさいマフラーは、周囲から嫌われるので要注意。また、ミニバンなどは、車内のこもり音も気になるので、音量は控えめな方が間違いない。
性能向上については、正直体感できるほどの効果は期待しない方がいいだろう。大手マフラーメーカーの製品なら、ノーマルよりは排気効率も考えられているだろうが、NAエンジンならマフラー交換によるパワーアップは数馬力程度。
材料置換による軽量化も考えられるが、スチール製とステンレス製でも重量自体はあまり変わらない……。ただし、オールステンレスマフラーなら、ノーマルのスチールマフラーよりも耐腐食性などの耐久性は高くなる。
というわけで、ミニバン・SUVでマフラー交換の意味があるのかと言われると、メリットはドレスアップ効果ぐらい。それがカッコいいかどうかは、個人の主観の問題なので、カッコいいと思う人は交換すればいいし、そう思わない人は交換しなければいいだけの話。ただしうるさいクルマは迷惑なので、マフラーは車検対応で、静かな場所を走っても目立つことがないようなものを選んだ方が、センスがいいと評されるだろう。