これから中古車価格が上昇する可能性アリなモデルも!
中古車の価格というのは正直なもので、人気のあるクルマは高く、人気のないクルマは安くなってしまう。それはいくら新車価格が高くても関係ないシビアな世界だ。しかし、なかには不当なくらい安い値段で取引されているいいクルマというのも存在している。
だいたいそういう車両はしばらくするとその良さが再発見され、再び値段が上がり始める傾向があるので、その前に購入できるとおいしいと言える。そこで今回は独断と偏見でいいクルマなのに手ごろな価格で買えてしまう車両をご紹介したい。
1)日産ティーダラティオ
残念ながら現在の日産の新車ラインアップからは消滅してしまった5ナンバーサイズセダン。古くはサニーから続く伝統的なポジションだったが、もはやコンパクトセダンというボディタイプはそれほど需要がないものなのだろうか。
しかし、そんな5ナンバーセダンにこだわりたいという人におすすめしたいのが初代ティーダラティオだ。2代目はラティオと名前を変え、マーチがベースとなってやや残念な仕上がりとなってしまっていたが、初代モデルはこの時代のクルマとしては珍しいくらいのオーバークオリティっぷり。シートなどは上級車種かと思うほどのタップリしたサイズのものがおごられている。
価格も高いものでも100万円で十分おつりがくる価格帯となっており、低走行なものもまだまだ見つかるので、じっくりよいものを探したいところ。モデル途中で6速MTも追加されているが、素の状態はまったくスポーティではないので、走りを期待して買うとガッカリしてしまうので注意されたい。
2)マツダRX-8
2012年に生産を終了してからも、いまだにマツダのイメージリーダーと言っても過言でないのがロータリーエンジンだろう。そんな孤高の存在であるロータリーエンジンを搭載した最後の車種となっているのが、RX-8だ。それまでのRX-7とは異なり、ターボを捨てNAエンジンとなって最高出力こそ下がっているものの、そのロータリーエンジンらしいフィーリングは不変である。
また、クーペフォルムながら観音開きタイプの4ドア車であり、リヤシートもRX-7に比べれば十分大人が座れるスペースが確保されているため、ファミリーカーとして押し切ってしまっても何とかなりそう。モデル途中でATが4速から6速に大幅アップグレードされたため、そちらを狙えばATでもよりスポーティな走りが楽しめる。
そんなRX-8は最後の限定車スピリットRこそ高値安定だが、ボリュームゾーンは50万円以下とかなりリーズナブル。安いものだと総額20万円台から見つかってしまう。おそらく今後は再評価される車種だと思うので、底値の今のうちに程度の良い個体を押さえておきたい。
3)トヨタ・ブレイドマスター
いまや高級車ですらダウンサイジング化が進んでいる排気量。しかしほんの約10年前はプレミアムカー=大排気量というイメージがまかり通っていた。もちろんトヨタもそのイメージに従って「ショート・プレミアム」というコンセプトでプレミアムコンパクトハッチバックをリリースしていた。それがこのブレイドだ。
当初は直列4気筒の2.4リッターエンジンを搭載していたが(それでも十分大排気量だが)、モデル途中でV型6気筒3.5リッターエンジンを搭載する「マスター」を追加。プラットフォームを共有するオーリスは1.5リッターエンジンが中心ということもあり、2倍以上の排気量を持つグレードとなっている。
トヨタは保守的なクルマ作りでつまらないと揶揄されることも多いが、定期的にこういったチャレンジングな車種も生み出しているのである。おそらく、今後こんな大排気量ハッチバックは登場しないのではないだろうか?
気になるブレイドマスターの中古価格は高いものでは100万円オーバーから、安いものだと50万円台と幅広い。ただ、タマ数が圧倒的に少ないので、じっくり腰を据えて探すのがいいだろう。