実家が降雪地だったり別荘があればジムニーが威力を発揮!
とはいえ、都会に住んでいる人にとっても、ジムニーが威力を発揮してくれるライフスタイルがある。そう、積雪地に別荘を持っている(あるいは頻繁に訪れる実家がある)ケースだ。冒頭の「ジムニー女子」「山ガール」のような適材適所使い方である。あるいは、これからジムニーが威力を発揮するであろう一歩先へ踏み込むアドベンチャードライブの世界に挑戦したいと思っている人が、その準備として手に入れるのもいいだろう。ジムニーが手元にあれば、その目標、気持ちが一気に加速することうけあいだ。
都会生活ながら、はるか遠くの極悪路、雪深い場所に出掛ける機会が多いというなら、個人的には「高速走行や乗り心地にもこだわり、タイヤサイズをチョイスした」という、動力性能にも余裕があり、乗り心地もなかなかのジムニー・シエラがベターではあるのだが……。
結論としては、ジムニーは見た目の魅力で何も考えずに買ってはいけない特殊性のあるクルマだということ。そもそも、小さく、かわいく、カッコ良く見えても、基本はヘビーデューティかつ過酷な条件下での使用を目的、用途とした本格クロカンであり、いかに最新型でも、ハスラーのような乗用車から乗り換えれば、とくに快適性などで不満が出る可能性がある。
ちなみにボクは将来、大好きな軽井沢あたりに移住しようと思っているのだが、土地が買えるのは軽井沢といっても、当然、道幅激狭な、かなり奥地(安いという意味)になりそうだ。そうなったときに、冬は白銀の世界になるためSUV、4WDは不可欠だが、大中型ではなく、迷わずリゾート地に似合い、夏の緑に映えるシフォンアイボリーメタリック×ブラック2トーンルーフのジムニーを選ぶと思う。全幅1475mmのナローな車幅は、夏、プリンス通りを中心とした観光客の大渋滞を避けた裏道をスイスイ走るにも適しているからでもある。
仕事でコンパクトなクロカンが必用、あるいは悪路マニアの人以外でも、そうした移住プランに組み込む、走破性能がもたらす“夢ある”使い方もなかなかだと思っている。都会だけで使うジムニーは、宝の持ち腐れになりかねない。街中で近所しか走らない使い方では、それはもう、もったいなさすぎる……。パジェロ・ミニなきあと、誰もマネできない日本車の永遠の“宝”というべき1台がジムニーだ。ジムニーをジムニーとして使いこなせる人にこそ、乗ってもらいたい。