国内では見捨てられてマイナーチェンジすらしてもらえない車種も
「お国柄」という言葉があるように、国が変われば趣味趣向も大きく異なってくる。これはクルマに対しても起こりうることであり、実際に日本ではそれほど売れていない車種でも海外で大ヒット車種となっていることも少なくない。今回はそんな日本では不人気でもアメリカではバカ売れの日本車をご紹介しよう。
1)日産シルフィ(現地名セントラ)
日本では凡庸な中型セダンといった印象が拭えない日産・シルフィ。しかし、アメリカでは1.6リッターターボエンジンを搭載したNISMOが用意されるなど、スポーティセダンとして人気が高い。アメリカでの2017年度の販売台数ランキングでは16位、20万台以上が販売されている。
ちなみにセントラは2015年末にビッグマイナーチェンジが実施され、Vモーショングリルが採用されたフロントマスクとなっているが、日本仕様は2012年にデビューして以来、目立った改良がなされていないというのは非常に残念なところだ。
2)ホンダ・シビック
一時期は日本市場から名前が消えていたシビックだが、昨年9月に再び販売がスタートしている。どうしても日本国内ではシビック=タイプRのイメージが強いようで、そのタイプRは450万円と気軽に購入できる価格ではなくなってしまったことから、日本国内での月間販売台数は1000台半ばを行ったり来たりと言った状態だ。
しかし、アメリカでは引き続き大人気車種であり、2017年度は36.3万台を売って第6位にランクインしている。アメリカでは販売台数が多いことから日本のようにモノグレードではなく、ボディタイプもクーペが用意されるなど、日本のユーザーからするとうらやましく思うこともあるが、販売台数が向上しないことには追加もなかなか見込めないということでファンにとっては歯がゆい状況が続いている。
3)トヨタ・カムリ
「セダンの復権」を声高に叫んで登場した新型カムリ。メーカー自ら「復権」と言っていることからもわかるように、日本でのセダン市場は縮小の一途を辿っているのが現状だ。鳴り物入りで登場した新型カムリも、最近の月間販売台数は1000台そこそこといった台数で推移してしまっている。しかし、アメリカに目を向ければ昨年の販売台数は34.3万台と、ひと月で日本国内の1年に販売するカムリの数倍を売っていることになる(もちろん、人口や国土の違いはあるが)。それだけにカムリもアメリカ市場を意識したクルマづくりをしてしまって、結果的に日本の市場に合わなくなるという負のスパイラルに陥っている点は否めないが……。