自宅や立ち寄り先にて200Vの普通充電があればまず不便はない
電気自動車(EV)の充電に関して、根本的な誤解がある。マスメディアで紹介される充電設備の話題は、ほとんどが急速充電器についてである。それは、既存のエンジン車に燃料を給油する概念に基づいている。しかしEVへの充電は、それらとまったく異なる考えで社会基盤(インフラストラクチャー)の整備が行われなければ問題は解決しない。
EVへの充電の基本は自宅である。ガソリンのような危険な燃料を扱うのではなく、家電製品や電灯など、自宅で毎日安全に使っているのと同じエネルギー(電力)をクルマに使うのだから、自宅で充電できて当然だ。また、そうすれば、電力契約の仕方や、自分のクルマの使い方に応じて、より安く、あるいは容易に充電を行うことができる。
次に、出先での充電である。これも家庭と同じ200Vの普通充電でよい。仕事をしたり、打ち合わせをしたり、買い物をしたり、医者の診療を受けていたりしている間に、30分でも数時間でも充電すればよい。立ち寄り先での充電を繰り返すことで、電欠から解放される。
以上のふたつがEVへの充電の基本であり、それが満たされれば、高速道路のサービスエリアや道の駅などでの急速充電器は、極端に言えばなくてもいいはずだ。