馬鹿売れホンダN-BOXか? ガチライバルのタントかスペ—シアか? 子育てママ目線で徹底比較 (1/3ページ)

小さな子供が居る家庭ならN-BOX

 子育て中は、毎日が猫の手も借りたいくらいドタバタで、「クルマがあって良かった!」と感じる瞬間が本当にたくさんあるものです(シミジミ)。中でも、心底ママ想いの装備が揃っているなぁと感心しちゃうのが、背高ボディに両側スライドドアの、スーパーハイトワゴンと呼ばれる軽自動車たち。実際、2年連続でホンダN-BOXが販売台数No.1を獲得したり、ママたちの間ではすでにダイハツ・タントがブランド化していたり、人気をヒシヒシと実感しますよね。

 ただ、いざ購入しようと思うと、「ん? いったいどれがいちばん良いの? どこがどう違うの?」なんて、悩んでしまうと思います。そこで今回はママ目線多めで、ホンダN-BOX、ダイハツ・タント、スズキ・スペーシアを比較してみたいと思います。

 まずは、誰もが求めている「室内の広さ」。というより、子どもの着替えなど室内で過ごす時間を快適にするために、「天井の高さ」を重視するママが多いのではないでしょうか? そんな天井の高さがいちばん高いのは、スペーシアの1410mm。タントの1365mmをN-BOXの1400mmが抜き、さらにスペーシアが上をいきました。とはいえ、実際に乗り込んで室内空間を比べてみると、どうも感覚的にはN-BOXやタントのほうがゆったりと感じます。

 じつは、スペーシアが数値的に勝っているのは天井の高さだけで、室内幅・室内長はタント、N-BOXのほうが広いのです。ちなみにN-BOXの室内幅1350mm、室内長2240mmがトップ。確かに高さも大事ですが、感覚的なゆったり感って、それだけで生まれるものじゃないんですね。なので、広さ重視ならN-BOXかタントでしょう。

 次に乗り降りのしやすさを比べます。スライドドアなんだから、どれも同じだと思うじゃないですか。これがまた違うんですね〜。もっともインパクトが大きいのは、助手席側の中央にある柱をスライドドアに埋め込んで、ガバッと開口幅1490mmを実現した、タントの「ミラクルオープンドア」ですね。

 これがすごいところは、子どもと手を繋いだまま並んで乗り降りもできるし、助手席をいちばん前にスライドしておけば、ベビーカーを畳まずにサッと載せられるし、バッグゲートが開けられないような駐車場でも、ドア側から大きな荷物の出し入れができることなど。乗り降り+αの、想像を超えた使い方ができるのが魅力です。

 一方でN-BOXは、助手席側の柱がある一般的なスライドドアです。でも助手席が57cmも前後にスライドすることと、運転席との間に人が通れるくらいの隙間を作り、「センターウォークスルー」を可能としたことによって、子どもと一緒にスライドドアから乗り込んだあとに、いちいちまた車外に降りることなく、そのまま運転席に移動できるのが便利。

 これはミニバンでは当たり前にできることですが、軽自動車ではN-BOXが唯一です。また、後席がスライドするのはもちろん、座面を跳ね上げて格納することも可能なので、片側だけ跳ね上げて着替えスペースにしたり、背の高い荷物を積んだり、という使い方ができちゃいます。

 子どもが小さいうちは走行中にグズることが多く、停車しては様子を見てオムツ替えや授乳をして、ご機嫌になったら走り出す、ということの繰り返しでした。そんなとき、雨の日でも猛暑でも車外に出ることなく子どものそばに移動できる、というのは本当に助かります。また、オプションですが手を使わずに足の動きだけでスライドドアを自動開閉できる「ハンズフリースライドドア」の設定もあるので、N-BOXは赤ちゃんがいるママにとくにオススメしたいですね。

 そしてスペーシアもN-BOXと同じ一般的なスライドドアですが、ここで先ほどの天井の高さが効いてきます。そう、ドア開口部の高さが稼げるんですね。大人があまり腰を曲げずに乗り降りできるし、ステップも地上からわずか345mmと低く抑えられているので、3歳くらいの子どもから1人でもラクに乗り降りできます。タントやN-BOXのように、ベビーカーをそのまま積んだりはできませんが、普通に使いやすいスライドドア。なのでスペーシアは、幼稚園児以上の子どもがいるママや、両親と同居していて大人も頻繁に後席に乗るよ、というママにオススメだと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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