高年式よりも低走行の個体のほうが全体的にシャキっとしている
中古車を購入するときに直面する問題が、「年式」を優先すべきか「走行距離」を優先すべきかという問題だ。もちろん高年式で低走行の車両を狙うのが間違いないことは言うまでもないのだが、そういった車両は大体予算オーバーだったりするものだ。
ではどちらを優先すべきかという問題だが、たとえば狙っている車両が決まっている場合は年式によって装備の差などもあるだろうから、欲しいモデルが絞られている場合は年式(モデルイヤー)を優先したほうが後悔は少ないハズ。走行距離は乗っていれば増えていくものだが、装備の違いは埋めることができないためだ。
それでは車種は決まっておらず、ジャンル程度しか絞れていない場合はどうだろう。たとえば予算100万円でミニバンが欲しいとなったときは、年式の新しい距離を走った個体と、年式は古いものの低走行という個体を比較するケースも出てくるはずだ。
この場合、あくまで個人的な主観ではあるが、低走行の個体を狙いたいところ。もちろん自動車は機械であるから使えば使うほど消耗していく。整備がなされていれば問題ない部分も多いが、サスペンションのブッシュやボディ自体など、一般的な整備では交換しない(できない)部分も少なからず劣化していくため、低走行の個体のほうが全体的にシャキっとしていることが多いように思える。当然、経年劣化というものも考慮しなければならないが、経年で劣化するよりも走行によって劣化するほうがはるかに大きいというのが経験則である。
ただ、年式から考えても圧倒的に低走行な個体、たとえば20年落ちなのに走行1万キロなどのは逆に注意したいところ。さすがに一般的な業者であればメーター巻き戻しの可能性は少ないと考えていいが、あまりに走らなかった個体は定期的な部品交換がされていないケースも少なくなく、実際に乗り始めたら一気に不具合が続発したということも実際に起こっている。レストアを前提に少しでもボディの状態がよいものを探しているのならいざ知らず、日常的に使おうとする車両であれば、極端な低走行車は避けたほうがいいかもしれない。