日本のステッカーをまねて発展させた可能性大
日本では一般的に新車を購入すると、リヤバンパーやリヤバンパー真上、またはリヤウインドウに、購入したディーラーの名前の入ったステッカーが貼られてくる。
なかには「そんなステッカーは貼らないでくれ」というお客もいるようだが、ほとんどの新車にはディーラーステッカーが貼られている。いまでこそ、アルファベットを使い、デザインもオシャレさを意識したものが多いが、一昔前ぐらいには漢字やカタカナを用いてディーラー名が記されたステッカーばかりであった。それが「みっともない」などという声もあり、今のようなアルファベットを用いたものとなったようなのである。
ただ“所変われば”ではないが、アメリカでは、アメリカで販売されている日本車を日本風にカスタマイズして乗ったり、日本から個人輸入した日系ブランドの中古車を乗って楽しむ“JDM(JAPAN DOMESTIC MARKET)”を愛好するひとたちの間では、“漢字がクール”ということで人気を博し、アメリカで“復刻版”的なものや、オリジナルテイストを盛り込んだものが作成されるなどもした。
そのアメリカでは、ディーラーステッカーの代わりに、“ディーラーナンバーフレーム”が装着されるのが一般的。フレームに購入したディーラー名が記されているのである。日本同様フレームをつけたくない人もいるだろうが、フレームのないクルマはたいていがレンタカーとなるようで、実際に筆者の経験でもその確率が高かった。
そしてホーチミン市を歩いて気がついたのが、ここホーチミンでもディーラーステッカーを貼ったクルマが多く走っていた。日本のようにディーラー名だけでなく、“サービスホットライン”みたいな電話番号も入っている。仮に駐車場で「このクルマいいなあ」と思った人が、ステッカーに記された電話番号へ連絡できるようにしているのかもしれない。日本のディーラーステッカーの発展型といっても過言ではないかもしれない。
日本のディーラーステッカーにヒントを得たかについては、はっきりしていないが、世界広しとはいえども、ディーラーステッカーはなかなか見かけないので、日本のディーラーステッカーからヒントを得た可能性は高いといえるだろう。