国民のショーへの注目を集める施策か
2018年10月24日より、ベトナム南部のホーチミン市で“ベトナム・モーターショー2018”が開催された。もともと、VIMA(ベトナム自動車工業会)とVIVA(ベトナム輸入事業者組合)が別々にショーを開催し、首都ハノイとホーチミン市で毎年交互に開催していたものを、今回からVAMAとVIVAでの共同開催となった。
それでは来年はハノイで開催されるのかどうかを、地元のメディア関係者に聞いたところ、「そこのところはまだはっきりしていない。ハノイ開催で定着するのではないか?」と語ってくれた。
VAMAの統計によると、2018年9月のベトナム国内の新車販売台数は2万5351台(ノックダウン生産車:1万7325台、完成車輸入:8026台)となり、2017年9月比で+19%となっている。
今回のショーに参加したブランドは、日系、欧米系合わせて15ほど。まだまだ街なかでは二輪車が圧倒的に目立っており、四輪車の本格普及はこれからというのがベトナムの実状。そのなかでベトナムではおもにノックダウン方式により、国内で自動車が生産されている。
欧州ブランドがEVやPHEV、48Vマイルドハイブリッドなどを展示してきているのに対し、日系ブランドはあえてHEVやPHEV、EVなどを“封印”したかのように、現実的なコンパクトモデルやSUVなどを積極的に展示したり、ショーデビューさせたりしていた。
24日は夕方から一般公開となり、それまでは出展各社のプレスカンファレンスが行われた。そこでは新興国のモーターショーにありがちな、あまり意味のないイメージメインと思えるダンスパフォーマンスが展開されたのだが、さらにほとんどのブランドで、ベトナムでの有名芸能人(ミュージシャンやモデル、歌手など)が参加し、歌などを披露していたのには驚かされた。
残念ながら個々にどんなひとなのかを知る術(ベトナム芸能界に精通しているわけではないし、ベトナム語の読み書きもできないので……)は残念ながらないのだが、まわりの地元メディアのただならぬ興奮状態を見ると、いかに有名なのかが伝わってきた。
まだまだ一般消費者の四輪車への関心は低いようで、あの手この手で興味を持ってもらおうとしているのかもしれない。
一般公開日の入場料は3万ドン(約144円)なので、現地の物価に照らし合わせても、極端に高額というものでもないので、テレビなどでプレスカンファレンスの模様を見て、できるだけ足を運んでもらおうともしているのかもしれない。