技術が進化したので昔ほど「カックンブレーキ」にはならない
とはいえ、ブレーキの協調制御はプリウスに限らず、アクアからレクサスLSまでトヨタ系ハイブリッドカーにはおしなべて採用されている技術。かなり熟成され違和感は少なくなっているという評価もある。その意味では、プリウスに限って「カックンブレーキ」を指摘する声が目立つのは、初代・二代目プリウスでの、今から見ると未熟だった協調制御による悪いイメージ(先入観)が残っているため、とも考えられる。
なお、電動サーボブレーキを使って、回生と機械式ブレーキの協調制御を行うという手法はトヨタに限らず、ホンダや日産の電動車両も採用している。ただし、ノートe-POWERはワンペダル(アクセルペダル)で停止までカバーするという仕組みを持つこともあってブレーキペダルはオーソドックスな機械式となり、協調制御はしていない。
まとめれば、ハイブリッドカーのブレーキに覚える違和感というのは、倍力装置を使った機械式ブレーキとのフィーリングの違い起因するものと考えられる。ちなみに、倍力装置を持たないノンサーボのブレーキは、グッと踏力が必要となるもので、倍力装置付きになれた体には異なる感触となってしまうだろう。おそらく、その扱いづらさはハイブリッドカーの比ではないと感じるはずだ。現代の市販車ではマイクロカーなどでしか味わうことができないが、ノンサーボ・ブレーキこそダイレクト感にあふれたブレーキだ。機会があれば味わってみてほしい。