彼の説明でLINK & COは中国吉利とボルボ社の共同出資により起こされた会社で、ヘッドオフィスも開発拠点もスウェーデンにあるという。そこで働く2500名のエンジニアは約50%がボルボの出身者であり、中国人エンジニアはひとりしかいない、という。生産は中国・吉利の工場で行われるが、企画開発は100%スウェーデンで独自に行われたと強調していた。
LINK & CO 03画像はこちら
一方アラン氏もボルボでXC60やXC90のデザインを担当してきたキャリアを持ち、現在は吉利の副社長兼デザイナーとして活動。LINK&COブランド全モデルのデザインを統括しているそうだ。「03」のメカニズムは、100%ボルボでもインテリアや外装デザインは100%オリジナルだと解く。LINK & CO 03画像はこちら
このステージでは吉利のAN Conghui社長をはじめ4人の中国人役員が登壇し、「03」の登場を華々しくアピールした。LINK & CO 03画像はこちら
そして最期の驚きに発表が行われる。それは「03」をベースにしたレースカーを制作し、2018年のWTCR(世界ツーリングカー選手権)に参戦すると宣言したのだ。しかも車両制作およびチーム運営は、2017年までポールスターレーシングとしてボルボ車を走らせていたCYANレーシング。ドライバーはポールスターで2017年のワールドタイトルを獲得した世界チャンピオン、テッド・ビョークを擁しての参戦だ。これは初戦からコンペティティブでチャンピオンシップ獲得の有力候補となるのは確実だろう。LINK & CO 03画像はこちら
パワートレインはDrive-Eと呼ばれる1.5リッターTD直4直噴ターボで最高出力は180馬力。最大トルク265N・m。トランスミッションは7速DCTを装備。CMA(コンパクトモジュラーアーキテクチャ)のシャシーで、フロントはマクファーソン・ストラット、リヤはマルチリンクの4輪独立サスペンションを持つFF(前輪駆動)モデルだ。前後のトレッドは1597mmというクラス最大値。0-100km/h加速タイムは7.9秒であり、100km/hからの制動距離は35.5mと公表された。実車スケール風洞によりCd値(空気抵抗係数)は0.27、CL(揚力係数)はマイナス0.25とゼロリフトを実現している。LINK & CO 03画像はこちら
この「03」をはじめ01、02と3モデル揃ったLINK&CO車。まずは中国で発売し、その後欧州と北米でも発売していく。だが日本での発売は今のところ予定をしていないという。それでは何故日本の富士スピードウェイでワールドプレミアを行ったのか。それはLINK&COのブランドネームに現れるクールさが今の日本のクールさと一致したからだ、という。無国籍なイメージを創出し中国製品が持つ一部のネガティブなイメージを払拭する狙いもあったのだろう。総額3億円を超えるという大規模な「03」デビューイベントはこうして幕を閉じた。LINK & CO 03画像はこちら