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【試乗】アルピーヌA110のカタログモデルが登場! ワインディングとサーキットで実力を試す (1/2ページ)

【試乗】アルピーヌA110のカタログモデルが登場! ワインディングとサーキットで実力を試す

軽量ボディでノーズがスッとインを向く!

 その登場を知った日から試乗機会がこれほど待ち遠しかったクルマは久しぶりだ。アルピーヌA110は初代モデルがデビューしたのが1962年。当時のレーシングカーと同じ鋼管フレームにFRPの軽量ボディを組み合わせた超軽量なライトウエイトスポーツで、そのスポーツ性の高さはさまざまなモータースポーツシーンを飾った。とくに1973年にWRCのタイトルを獲得したのは象徴的だった。

 僕がモータースポーツに強く興味を持つようになったのが1970年からだ。モンテカルロ・ラリーでチュリニ峠をドリフトで攻めるアルピーヌA110の勇姿に心ときめかせたものだ。この初代A110は1977年に生産が中止されたのだが、そのデザインとコンセプトをフューチャーして復活させられたのが新型A110というわけだ。

 もちろん初代のような鋼管フレームにFRP製ボディというわけにはいかないが、軽量なアルミ製モノコックボディを採用し、車重わずか1110kgに抑えたという。しかもリヤエンジン・リヤ駆動のRRレイアウトだった初代に対し、新型はミドシップの後輪駆動に進化。その走りに大いに興味がわくのは当然なわけだ。

 試乗場所は富士スピードウェイ・ショートコースと一般道だ。早速コクピットに乗り込み、一般道へと走り出す。試乗モデルはカタログモデルの「ピュア」で、右ハンドル仕様だ。

 コクピットは思っていたより広く、低いシートポジショニングでヘッドクリアランスもゆとりがある。ドライブモードセレクトが可能で、まずはデフォルトモードで走り出す。トランスミッションはゲトラグ製の7速DCTが採用され、Dレンジだと2ペダルのイージードライブ。

ステアリングパドルを使用してマニュアル変速ももちろん可能だ。シートはセミバケットタイプで軽量に拘った仕様。リクライニング機能は備わっていないが、シートセットが良好で自分好みだ。ミドシップエンジンレイアウトゆえ、シートバックはエンジンルームの隔壁が迫り荷物などは置けないが、フロントフード下とリヤにも小型のトランクが設置されていて、ふたり分の小旅行用ケースが収納可能となっている。

 エンジンは1.8リッターの直4直噴ターボ。最高出力252馬力、最大トルクは320N・mでパワーウエイトレシオはわずか4.4kg/馬力という好数値で仕上げられている。その特性は一般路走行でも極めて扱いやすい。スロットルと出力特性が非常にリニアでコントローラブルなのだが、さらにDCTも上手くキャリブレーションされていて走らせやすい。

 そしてカーブでステアリングを操作すると、軽いノーズがスムースにインを向き正確なライントレースと軽快なアジリティを発揮してくれる。その瞬間にドライビングプレジャーが高まる感覚を得た。「これはいい!」と直感的に感じられるクルマなのだ。シャシー剛性が高く、前輪と後輪の動きに位相差がない。クルマ全体が一体感に包まれ「人馬一体」とはまさにこういうことを言うのだよ、と思わせられる。いつまでも走っていたい。そんな気分になる。

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