基本的に塗膜の強さに差はないが「赤」は要注意
クルマのボディカラーは個性的なものが増え、選ぶ楽しさもいっぱいだが、気をつけたいのがボディカラーによってお手入れのしやすさやキズの目立ちやすさが違うということ。昔は逆に手入れのしやすさでボディカラーを選んだりしたが、最近は意識が薄れたのか、あまり話題にならないので今一度おさらいも込めて紹介してみよう。
まず大前提だが、塗料が固まった状態。つまり塗膜の強さは色によって異なることはない。基本的に同じだ。となると、色でなにが違うのかというと、キズや汚れの目立ちやすさ。細かい線キズは白く見えるので、明るいほど目立たない。だから、ホワイトやライトメタリックはキズに対しては有利だが、その分、水アカなどの濃い汚れは目立ちやすい。
逆にキズが目立ちやすいのが、濃色車だ。とくにブラックは手入れを間違えると白っぽくなってしまうほどで、購入時もこの点は意識しておきたい。逆に黒い汚れは目立ちにくいが、白っぽいホコリなどは目立つので、この点でもお手入れには注意が必要だ。
そして色自体が抜けやすい色がある。それが赤だ。赤は紫外線の影響を受けやすく、色あせしやすい。これは物理や化学的な現象なので、最近は塗料の改良で進行が遅くなっているとはいえ、どんな高級塗料であっても防ぐことはできないこと。実際は放置しておくと白っぽくなったり、朱色っぽくなってきてしまう。一度色あせると磨いてひと皮剥くか、全塗装するしかなくなってしまうので、黒同様に購入時から考慮に入れておきたい。
また、プロにお願いするコーティングのなかには、紫外線を強力にカットしてくれるものもあるので、気になる人やどうしても赤系のボディカラーが欲しい場合は、施工してみるのもいいだろう。