クルマとしても魅力は十分にある
毎月、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している登録車の販売台数ランキング。それによると2018年8月度の販売台数No.1は日産・ノートで、13,589台となっている。つまり1日当たり450台ほどが売れている計算だ。
しかし、その一方で月間の販売台数が1,000台に満たない車種も存在している。そういった車種は平たく言ってしまえば不人気車ということになるが(中には超高級車も存在するが)、だからといってクルマとしての魅力がない車種ばかりというワケでもない。そこで今回は、月販1,000台未満だが魅力を持ち合わせている車種を独断と偏見でご紹介したい。
1)スバル・レガシィ(含むアウトバック)
日本でのステーションワゴンをバン(商用車)のイメージから脱却させた立役者であるレガシィだが、現在は日本国外への販売を重視したためボディサイズが拡大してしまった。その穴を埋めるために新規車種としてレヴォーグが登場したことで、レガシィ自体の販売台数はかなり減少してしまっている。
とはいえ、2.5リッターの排気量から来る豊かなトルクや、本革シートを備えた上級グレードでも350万円(アウトバック)という価格はフラッグシップモデルとしてはかなり買い得感が高い。B4(セダン)のベースグレードであれば300万円を切るほどのバーゲンプライスなのだ。
2)ホンダ・ジェイド
ホンダのミニバン/ステーションワゴンであるジェイド。デビュー当初は3列シートの6人乗り、ハイブリッド車のみというラインアップだったが、モデル途中で1.5リッターVTECターボエンジンの追加や、2列5人乗り仕様の追加など、ラインアップの拡充が図られている。
正直3列シート仕様は帯に短し襷に長し状態だったが、2列シート仕様は使えるステーションワゴンに変貌している。また「RS」グレードには、カーブでの車速や操舵量などから車両の動きを予測し、ブレーキを自動制御。正確に曲がれる気持ちよさと、安定した走りをもたらすアジャイルハンドリングアシストが用意されるのも注目ポイントだ。
3)三菱アウトランダーPHEV
三菱の技術の粋を凝縮させたアウトランダーPHEVは、パジェロで培ったSUV作り、ランエボで培った4WD性能、i-MiEVで培ったEV技術を余すことなく盛り込んだモデルだ。プラグインハイブリッド車でありながら、EV走行を基本とし、EVが苦手な領域や強い加速が必要な時のみエンジンが駆動に回るシステムを採用しており、EVと内燃機関のいいところどりといった車種である。
また、有事の際は非常用電源としても活用でき、燃料が満タン状態であれば一般家庭の10日分の電力を生み出せる点も、自然災害の多い日本では見逃せない点だろう。
4)スズキ・イグニス
もともとは軽自動車のハスラーと、エスクードの間を埋めるクロスオーバーSUVとしてリリースされたイグニス。しかし現在では同じプラットフォームを使用するクロスビーが登場したことでやや存在感が薄くなってしまっている。
しかし、クロスビーはターボエンジンや6速ATを採用したことで価格が上昇してしまっているが、イグニスは1.2リッターNAにCVTの組み合わせと、シティコミューターとして軽自動車からのクラスアップを図ろうとするユーザーにもなじみやすい仕様と価格となっている。ルックスも過去のスズキの名車のテイストをちりばめている点はマニアの琴線にも触れるハズだ。