豊田章男社長トークショーには提携を発表したばかりのあの人も!
一般社団法人 日本自動車工業会が主催する「東京モーターフェス」が10月6日(土)から8日(月・祝)の3日間で行われた。平成最後の開催となる同イベントは「胸に、ぎゅんとくる。」をテーマに掲げ、懐かしの名車から最新のモデルまでお台場特設会場にズラリと並んだ。
10月とは思えぬ暑さの中、幅広い世代の来場者が楽しめるようさまざまなプログラムが用意された。たとえば、お台場第一特設会場では最新乗用車、商用車や最新二輪モデルの試乗できたほか、平成最後ということもあり、「バック to the バブル」と題し、日産シーマやホンダ・プレリュードなどバブル期に人気だったクルマを多数展示した。
バブリーダンスで有名となった大阪府立登美丘高等学校ダンス部のOGも駆けつけ、ステージで懐かしのワンレン&ボディコン姿でダンスを披露した。
お台場船の科学館前の第二特設エリアでは、先進ドライビング・アシスト体験やドライビングテクニック体験、はたらくクルマの展示、超小型モビリティ試乗、痛車天国スペシャル、キッズカート体験、ダイハツコペンのドレスフォーメーションなど一般の方でも楽しめるコンテンツを豊富に展開。
また、トヨタの展示ショールームMEGA WEBに行く途中のセンタープロムナードでは、スポーツカーやSUVなど最新モデルがズラリと展示され、存分にクルマの楽しさを体験することができた。
さて、初日のメインはなんといってもトヨタ自動車の豊田章男社長とタレントのマツコ・デラックスさんによるスペシャルトークショーだろう。これは、クルマやバイクの魅力をおふたりが存分に語るというもの。自工会「大学キャンパス出張授業2018」として、学生のみ先行予約を行い優先的に観覧席を確保。ふたりのトークを熱心に聞く様子が印象的だった。
トークが盛り上がりを見せ30分が経過したころ、スペシャルゲストとしてソフトバンクの孫 正義社長が登壇! トークはさらに、面白みが増していく中、学生からの「もしこの後、ドライブに行きましょうということになったら、どんなクルマでどこに出かけたいですか?」という質問に、
孫さん「最近は自分で運転していないですが……ビーチの砂浜をビャーっと走れるようなクルマが良いですね」
章男社長「バギーだね」
孫さん「乗りたいですよ! ドアも着いてない、ガラスもない、水しぶきの来るやつが気持ちいいですね!」とコメント。続いて章男社長が一番欲しいクルマは? と問われると、しばらく悩みながら「ポルシェが欲しい」と回答した。
その理由を聞かれると、「運転の評価をするために運転のトレーニングをしました。年間200台以上、スーパーカーをはじめとしたあらゆるジャンルのクルマに乗りました。それは20年ぐらい前からですね。当時は運転ができなくて、私の師匠の成瀬さん(トヨタのテストドライバーだった故・成瀬 弘さん)に『おまえ、ポルシェに馬鹿にされているんだぞ、運転の仕方も知らないのに、こんなクルマを急に乗りこなそうとするのがおかしい』と。そして、『この後、いろいろ練習したら?』と言われました。それ以降、私の役割は、ブランドやメーカーに味があるじゃないですか。いろんなレストラン行っても、そこの味があるように、トヨタ・レクサスの味、まぁ、そこに、スバルの会長もいますが、いろんな味を……」
するとマツコさんが突然会話を遮り、
マツコさん「ちょっと、ちょっと、会長立って!」
章男社長「マツダの会長も隣にいますね」
マツコさん「(見ている学生に対し)内定もらえ!」
章男社長「スバルって言えばよかったね」という発言に会場は笑いの渦に包まれ、若い世代へ熱き思いをトークに交えて語っていたのが印象的だった。
続く、2日目は台風一過の爽快な快晴のもと、気温は30度と秋とは思えぬ天気の中、さらに激アツな出来事が起きた。ステージ枠のイベントに「動くクルマ図鑑ステージ ラリースペシャル」が組み込まれており、MCであるピストン西沢さんが今年のTOYOTA GAZOO Racingの成績を発表していたところ、1台のトヨタ86が登場。もの凄い勢いで、コースを周回し、スピンターンを華麗に決めてステージ前に停車。なんと、降りてきたのはモリゾウ選手!
モリゾウ選手「いやー、今日は暑いですね」
ピストンさん「熱いのは社長です!」
モリゾウ選手「楽しみながら走っているのは、私だけかもしれませんが、野球で言えば素振りみたいなものです。タイヤがどうだとか、自分の調子はどうなのかを、今の運転で確認をします。ところで皆さん、白い煙は吸わないでください! 体に悪いので!!」と言い放ち、ピストンさんを同乗させて再びアクロバティックな運転を披露。
続いて、インプレッサのラリー仕様を運転。4WDの特性を活かした走りを披露し会場を盛り上げた。また、現役のWRCマシンであるヤリスに乗り込み、その実力を来場者に披露。「ちょっと、満足のいく走りができなかった」とは試乗後のコメント。
また、最後は一般来場者をふたり(男女ともに1名)呼び出し、モリゾウ選手の横でクルマの楽しさを実感できる貴重な機会も! 降りてきたふたりは、終始笑顔だったのは言うまでもない。
たった3日間だけ開催ではあったが、多くの人が自動車に興味を持って楽しいカーライフを送ってもらいたいものだ。