その個体の歩んできた履歴に価値があるものがヒストリックカー
最近の価格高騰が話題になったり、製造中止になっていた部品の再販が行われるなど、日本でも古いクルマに脚光が当たりつつある。日本の場合は、趣味性のある古いクルマのことを、旧車と呼ぶことが多く、あとはクラシックカーもよく使うだろうか。
さらに日本でも使うし、海外でもよく使われる言葉にヒストリックカーというものがある。こちらのほうが高尚な感じはするのだが、クラシックカーとヒストリックカーの違いはどこにあるのだろうか。それとも同じなのだろうか。ちなみにこのふたつ、和製英語ではなく、海外でも使われている単語だ。
どちらも、古いクルマのことを指すのは同じで、使われる場所なシチュエーションに合わせたニュアンスの違いというのはあるだろうが、海外の例を見ると、どちらも歴史的価値のあるモデルに使われることが多いように思われる。日本だと、トヨタ2000GTが当てはまるだろう。
さらに自動車の歴史が古い欧米だと、ただ古いだけでなく、その履歴がしっかりとしていて明確なのも求められることがある。それがヒストリックカーであり、何年何月に工場から出て、誰が買って、その後、どこに転売されてなどの記録が重要視される。そもそも、ヒストリーとストーリーの語源は同じで、物語性が込められている。
なんと欧米には、クルマの歴史についての専門家もいるし、ヒストリーについての認証機関あって、そこが発行した認証書に権威があったりする。イタリアあたりでは偽造されたりもするが、裏返せば認証書にそれだけ価値があることになる。
日本でも認証制度を導入しようという動きはなくはないが、クルマの品質についてがメイン。日本は自動車生産の歴史が浅いし、超少量生産はなく、あくまでも大量生産メーカーの大量生産車がほとんどなので、難しいところがあるのは確かだ。