「R32・R33・R34」第二世代のスカイラインGT-Rはどれが一番楽しいのか?

ドレとは言えないがより新車に近いGT-Rがいい!

 30年続いた平成もあと半年。なんだかんだ言って、この平成という時代、国産スポーツの中心には、いつもスカイラインGT-Rの存在があった。とくにR32、R33、R34の第二世代GT-Rは、共通点もあるが個性もあって、それぞれに思い入れがある。

 この3台のうち、いま乗って楽しいのはどれなのか。「楽しい」というのはあくまで個人の主観なので、なかなか難しい問題だが、強いて言えば、その楽しさを左右するファクターは、次の3つといえるだろう。

1)スポーツカーは軽ければ軽いほど楽しい

 クルマの運動性能は、ある意味イナーシャ(慣性)との戦いなので、車重は軽ければ軽いほど、加速、コーナーリング、ブレーキングに好影響を与える。そういう視点から考えると、R32=1430kg(前期)、R33=1540kg(Vスペック)、R34=1560kg(Vスペック)となるので、R33やR34に比べ、100kgも軽いR32は、圧倒的に“動き”がいい。

 この動きの良さが楽しさにつながるので、まずはR32が1ポイントリードといったところだろう。

2)コンディション

 もひとつのファクターはコンディション。クルマというのは走れば走るほどくたびれていくもの……。いくら高剛性ボディを誇るGT-Rでも、新車から4万kmも走れば、日産の実験部が、ニュルや栃木、北海道の陸別のテストコースでOKを出した走りの質感は再現できないのが現実。

 そういう意味で、走行距離が短く、ヤレが少ないGT-Rが一番楽しい。この点では、必然的に年式の新しい、R34、R33、R32の順にアドバンテージがあるといえる。

3)タイヤ

 クルマはタイヤによって乗り味がずいぶん変わる。そのクルマが持っていた本来のフィーリングを味わいたいのなら、タイヤサイズは標準装着タイヤをキープするのが基本。サイズアップなどしなくても、年々タイヤは高性能化しているので、ノーマルサイズのタイヤを履いたほうが、それぞれのクルマの“味”を堪能できることになる。これも走りを楽しむための大事なポイント。

 もちろん、各車に対する思い入れというのも大事なスパイスになるので、それも加味してジャッジする必要があるが、一番楽しいのは、より新車に近いGT-Rだといっておこう。とはいえ、年式の割に極端に走行距離が少ないのも、“運動不足”で走りが重い可能性があるので、メンテナンスが行き届き、大事に乗られていたGT-Rがベストな一台だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
-
好きな有名人
-

新着情報