自動車メーカーが心血を注いで開発したクルマ
日本製の自動車が誕生しておよそ100年。現在も16のメーカー(乗用車メーカーは9社)がしのぎを削っている自動車大国である。今回そうした日本の自動車メーカーが心血を注いで開発したクルマの中で、とくに世界に誇れるクルマをリストアップした。前編の5台に続き、日本人なら人生一度は乗っておきたいクルマをさらに5台紹介しよう。
6)マツダRX-7&RX-8
日本の誇りといえば、どうしてもロータリーエンジンは外せない。好き嫌いはあるにせよ、身近にロータリーエンジンがあり、スポーツカーを選ぶとき、ロータリーエンジン搭載車が選択肢にあったというのは、じつに幸せな環境だったはず。
コンパクトでハイパワー、フロントミッドシップを可能にするロータリーエンジン。RX-7もRX-8も軽いボディと重量バランスを武器にして、コーナリングマシンとして独特のポジションを堅持していた。たとえオーナーにならなかったとしても、元気な個体があるうちに、これらのクルマに乗っておいて損はない。
7)ホンダNSX
1990年代前半、日本の自動車メーカーは、期間限定とはいえ世界一のクルマを作り上げていた。その代表的な一台がNSX。世界初の「オールアルミモノコック・ボディー」に、伝家の宝刀、VTECエンジンを搭載。フロントタイヤのアライメント変化をほぼゼロに抑えるなどして、エンジンは3リッターNAながらニュルブルクリンクの量産車最速タイムを更新。
ハンドリングでは世界一の称号を手にした歴史的な和製スーパーカーだ。日産スカイラインGT-Rと違って、欧米にも輸出され、フェラーリその他をギョッとさせ、意識改革させたインパクトのでかさと功績は大きい。ホンダがNSXリフレッシュプランを用意していることもあり、リコンディションが可能なのも大きな魅力だ。
8)トヨタ・セルシオ
1990年代、NSXとともに世界をあっと言わせたのが初代セルシオ。驚異的な静粛性が強調されているが、ちゃんとハイスピードで走れるエンジンとシャシーを持った高級車として登場したのがエポックだった。この高品質を職人技でなく、ほとんどロボットによる自動化で達成させたことで、日本のクルマ作りの水準が何ランクもアップしたのは間違いない。
9)スズキ・ジムニー
今年登場した最新モデルが大評判のスズキのジムニー。トヨタ・ランドクルーザーと並んで世界に誇る日本の4WDの傑作車。軽いボディに、強固なラダーフレーム、パートタイム4WDに大径タイヤの組み合わせで、悪路の走破性は圧倒的。 デザインもシンプルさを追求した普遍の魅力を持っていて、いつの時代、何歳になって乗ってもマッチする完成度を持っている。また、クルマらしい動き、運転している実感をわかりやすい形で持ち合わせているのもジムニーの特徴。ジムニーのライバルはジムニーしかない。
10)日産リーフ
今年4月、国内累計販売が10万台を超えた本格的な電気自動車。実用的な電気自動車としては実質的に世界ナンバー1のレベルにある。災害時には電源車としても活用できるということもあり、自治体でも導入するところが増えている。
航続距離もJC08モードで400km。どんなに条件が悪くても、満充電で200kmは走れるはず。しかも、ZESP2(日産ゼロエミッションサポートプログラム)に加入していれば、月額2000円で充電し放題。ランニングコストは比類ない。名車といえるかどうかはまだ「?」だが、EV時代のパイオニアとしてランクインさせた。