【動画あり】まさに熟成の域に達した三菱アウトランダーPHEVの2019年モデルに乗った!

ビルシュタインじゃなくても走りの良さが光る!

 SUVのPHEVとして他社に先駆けて世に送り出され、1年半あまり前にも大がかりな改良を実施したのも記憶に新しい三菱アウトランダーPHEVが、またしても大きく変わった。

アウトランダー

 よく見ると外観も微妙にリフレッシュされているが、インテリアのクオリティが高まっていることのほうが印象深い。ダイヤキルティングの本革シートや新しいオーナメントパネルなどにより、雰囲気がガラリと変わったのは見てのとおり。機能的にも、パワーメーターはよりわかりやすくなったほか、ホールド性の向上したシートの着座感も上々だ。さらには1500W電源を全車に標準装備としたほか、USBアダプターや後席用空調吹き出し口の追加、充電中でもエアコンやオーディオが使えるようになるなど、実際に使う上でありがたい細かな改良点が多々あることを、まずはお伝えしておきたい。アウトランダー

 こうした目に見える部分の改良に加えて、見えない部分がフルモデルチェンジなみに進化していて、いざドライブすると従来に比べて大幅に洗練されていることに驚かされた。

 これにはエンジンがアトキンソンサイクルの2.4リッターに換装されたほか、モーターやバッテリーも性能向上をはたし、さらには静粛性向上のため各部に手当てされたことが功を奏したようだ。アウトランダー

 加速フィールがよりリニアになり、全体的にトルク感が増して軽やかに走れるようになったのは明らか。従来はアクセルを強めに踏み込んだときに、出来のよくないCVTのようにエンジン回転だけ先に上がってなかなか加速がついてこなかったのが一変している。エンジンの停止〜再始動についても、よほど意識していなければなにも感じないほど音や振動がないことにも感心した。アウトランダー

 また、新設のSPORTモードは想像以上に走りがガラリと変わって、かなりエキサイティングな乗り味になるのも印象的だった。もう一方のSNOWモードも、冬が来たらぜひ試してみたい。アウトランダー

 フットワークもずいぶん印象が変わっていた。今回、全車に構造用接着剤を追加してボディ剛性の向上を図ったというのも大きな改良点であり、これによりすべてが良い方向に進んでいる。

 メインで試乗したGプレミアムに装備される標準サスペンションは、ダンパーのサイズUPが図られている。しかもボディ剛性が高まったことで足まわりが的確によく動くようになった印象で、乗り心地はいたって快適そのもの。高速巡行時もフラット感が高く、上質なドライブフィールになっていた。アウトランダー

 また、今回の改良でステアリングレシオがクイックになっているが、これも土台であるボディがしっかりしたことはもとより、電動パワーステアリング自体の制御の見直しや、前後がつながっていないツインモーター4WDの強みを生かして、わずかにリアのトルクを早く立ち上げるよう駆動力配分の見直しもあり、とてもスッキリとした一体感のある走りになっている。アウトランダー

 一方、ビルシュタインを装備するSエディションは、ダンパー自体に変更はないようだが、やはりボディ剛性の向上が効いてか乗り心地がよくなり、走りの切れ味に磨きがかかったことも確認できた。アウトランダー

 登場からそれなりに時間が経過して、いつモデルチェンジしてもおかしくないタイミングを迎えているが、時間が経過したからこそ、ここまでよいものに仕上がったように思える。アウトランダーPHEVは、まだまだバリバリの現役だ。


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