海外デザイナーが手がけたことが明かされている希有なクルマたち
感性も大きく関係してくることから、クルマのデザインというのは難しいもの。しかも、ひとつのメーカーのなかでデザインしている、煮詰まるというか、壁に当たることもある。個々人ではなく、メーカーのデザイン部としてもだ。そこで起用されるのが外部のデザイナー。
イタリアではジウジアーロやピニンファリーナなどが有名だし、それ以外にもたくさんのデザイナーがいたり、デザイン会社がある。もちろんというか、じつは日本メーカーのクルマも多く手がけているのだが、そのほとんどは外に名前が出ることはない。日本メーカーの気質でもあるのだが、そのなかでいくつか名前が出ているクルマたちを紹介しよう。
1)スバル・アルシオーネSVX
バブル期に登場したスバルのスペシャリティカー。担当したのはジョルジェット・ジウジアーロで、「スケッチ通りに作りすぎだろう!」と本人が驚いたという話も伝わっている。
2)初代ダイハツ・ムーヴ
軽でも外部デザインはある。たとえば初代のムーヴはAピラーからフェンダーへのラインがユニークなのだが、担当したのはイタリアのイデア。社内のデザイナーとの協業だったようだが、贅沢ではある。
3)初代日産マーチ
ジウジアーロが担当したもので、プレーンながら、ちゃんと成立しているのはジウジアーロらしいところ。ちなみにこの時期のジウジアーロは、別メーカーで同じようなデザインを提供することが多く、フィアットのウーノに似ている。
4)トヨタ・アリスト
トヨタに珍しくデザイナーを公表していて、ジウジアーロが担当したのは有名な話。なだらかなラインとハイデッキをうまくとり合わせたのはさすがだ。ただなだらかな曲面は、ジウジアーロにしては珍しいが。
5)ホンダ・シティカブリオレのトップ部分
シティ自体は社内デザインだが、あとで追加されたカブリオレのソフトトップ部分だけ、ピニンファリーナが手がけた。ピラーにバッヂが付いているのだが、他人のデザインながら一部だけ担当するというのは、意外に海外のデザイナーは嫌がらない。
6)いすゞ117クーペ
こちらもジウジアーロが担当。当時の日本メーカーにはあの曲面は出せないだろう。ちなみにこちらも同時期のフィアットのディーノと似たデザインとなっている。
7)日産410型ブルーバード
ルパン三世のアニメにも出てくることから銭ブルの愛称で呼ばれるのがこちら。尻下がりのユニークなデザインだが、担当したのはピニンファリーナだ。