日本の匠の技を結集! トヨタ・センチュリーに採用したメカニズムをチェック (4/4ページ)

居心地のよさと絶大な安心感をもたらすさまざまな技術を搭載

 電装品はこの20年で飛躍的にレベルアップした部分だ。先代のコンセプトを受け継ぎながら、最新技術とショーファードリブンならではの気配りが盛り込まれている。

 リヤのエンターテインメントシステムは、11.6インチの大型ディスプレイとしてブルーレイドライブを搭載。先代同様に、前席シート間に設置したのは、外光の影響を受けにくく後席から自然な見下ろし角で視聴でき、プライバシーの面からも外から容易に見えないことが望まれるからだ。このタワーコンソールは前方のインパネ部やシートとの水平ラインを調和させるため、組付け時に偏心ボルトによって建て付け調整が実施されている。

 ドライバー側では、オーディオやエアコン、シート位置など後席乗員からのリクエストがあった際にブラインドタッチで素早く操作ができるよう、スイッチ配置が考慮されている。シフトレバー後方にはシート系のボタンを配置。ステアリングスイッチは、オーディオ系を左右スポークの下側に振り分け、左はボリュームのマイナス、右ではシークのアップ側をそれぞれ外側に配置し、ステアリングを握ったまま親指ですばやく操作できるようにしている。また、クリアランスソナーやセーフティセンスのワーニング音は、後席側に聞こえないようアラームに指向性を持たせている。

 アクティブノイズコントロールも搭載され、力強く加速したときに生じるエンジンのノイズを抑えるようチューニングされている。システムは専用品で、ほかのトヨタ車では前席2、後席1の3チャンネル型だが、センチュリーでは前後ふたつずつ、計4つのマイクを設置した4チャンネル型で後席ノイズの低減効果を大きく強化。ノイズを打ち消す逆位相の音は、前後ドアとインパネスピーカーの全6カ所から発生される。これにより前後席間での会話明瞭度が高まり、車体側やタイヤなどに徹底して施されたノイズ低減策と相まって、車内は高級車カテゴリーにおいて群を抜く、圧倒的な静寂がもたらされる。

 電装技術ではもうひとつ、リヤコンビネーションランプにも注目。お見送りされることも多いクルマだけに、レンズは凛とした和の光をモチーフとした円筒型にデザインされている。レンズの端にミラーを設けてトランクスペースに影響を与えない薄型ユニットとしながら奥行き感が演出され、半径50mmのレンズを100mmの大きさに見えるよう作り込まれた。光源となるLEDはレンズの端に配置されているが、レンズ面の縦スリットすべてに対して均等に光がまわるように、スリットの溝はそれぞれ形状を変えてある。


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