載せる荷物の種類によってはN-VANよりスロープ付きのN-BOX
次にチェックするのは、やはりN-VANの肝である「荷物の積みやすさ」。もちろんN-BOXもシートアレンジがしやすく、後席をフラットにすればたくさんの荷物が積めるんですが、N-VANの良さはバックドアだけでなく助手席側のドアからも、大きな荷物が積み下ろししやすい点なんです。
駐車スペースの関係で、どうしてもバックドアが開けられない場所ってありますよね。そんなときに、助手席側のフロントドアとリヤのスライドドアにある邪魔な柱を「ドアインピラー構造」として、ガバッと大きく開くようにしたN-VANはとっても便利。開口部は幅1580mm、高さ1230mmにもなるので、ダンボールだろうがスーツケースだろうが、自転車やサーフボードだってラクラク積み下ろしできちゃうのです。
ただ、大きくて重い荷物を積み下ろしする場合は、もしかしたらN-B0Xの方がラクかもしれません。というのは、N-BOXにはラゲッジから折りたたみのスロープが引き出せる、「スロープ仕様」もありますよね。例えば電動ママチャリなんてかなり重量がありますから、スロープを押して積んだ方がぜったいラク。でもスロープを引き出すには駐車スペースにも余裕が必要なので、物理的に無理な場合もありそうです。自分が何を積みたいのか? よく積む荷物と積む場所を想定して、それに合わせてN-VANかN-BOXかをチョイスするといいですね。
そして続いては、助手席側がセンターピラーレスとなったことで、荷物の積み下ろし以外にもN-VANの使い方が広がったこと。とくに移動式のカフェやお弁当屋さん、お花屋さんなどをやる場合、これまでの軽バンやN-BOXのようなスーパーハイトワゴンでは、それぞれに合わせた改造が必要でしたが、N-VANではクルマ側の改造はほとんど必要ナシ。商品を渡すカウンターや、看板、メニューなどを作れば手軽にスタートできるので、そうした夢にトライするための敷居をグッと低くしてくれたと思うのです。
運転席は、背もたれが座面とフラットになるまで倒れて、ベンチ状態になります。背もたれ側に人が座っても大丈夫というから、店番にもってこい。もちろん、ロングドライブ中の昼寝にも良さそうです。ほかにも、家庭菜園が趣味で、豊作だった日にはファーマーズマーケットを開く、なんてのもステキ。そうした、荷物を積んで走って行った先で、何かやりたいことがある、という人には全力でN-VANをオススメします。
N-VANにはMT好きにはたまらない6速MTが用意される
さて、最後にオマケでもう1つ……。今や少数派ではありますが、「マニュアル車じゃなきゃイヤだ」という人もN-VANをぜひ。あるんですね〜、6速MTが! しかもミッドシップ・2シータースポーツのS660に搭載されている6速MTを流用しているというから、ツウにはちょっと嬉しいですよね。まぁ、FFおよび4WD向けに改良されているので、操作感はS660と同じとはいきませんが、6速MTは軽バンとして初採用なので、今までのMTモデルと比べたらグッと楽しく、快適な走りが手に入ると思います。
というわけで、まとめるとN-VANを買って後悔しないのは、「乗るのはほとんどオレ1人、あとは荷物」という人。「大きくて軽めの荷物をよく積む」という人。「軽バンを使って何か新しいコトをしたい」という人。そして「マニュアル車がイイ!」という人ですね。どうでしょう? 当てはまっていますか? もしピンときたら、まさにあなたは“N-VANに選ばれし人”、ですね。