ドアを開けると音楽が流れるギミックの車両も
自動車メーカーと自動車とは異業種のコラボ商品は少なくない。MINIなどの欧州ブランドとファッションブランドのコラボや、ベントレーなどの高級車ブランドと高級衣料ブランドがコラボ企画を商品化することは多い。国内でも、記憶に新しいところではトヨタのシャア専用オーリスが挙げられるが、ここではちょっと意外性のあるコラボ車をいくつか紹介しよう。
1)スマートフォーツー・エレクトリックドライブ・エディションディズニー
いろいろな面でコラボ商品を出すのがたいへん困難とされるディズニー。ついにそれが実現したのは2014年で、スマートの電気自動車であるスマートフォーツー・エテクトリックドライブの特別仕様車が誕生した。自動車としては初めてのディズニーとのコラボ商品である。
ミッキーマウスをイメージしたボディカラーをはじめ、トリディオンセーフティセルにはミッキーマウスのシルエットを配置。インテリアにも随所にディズニーの世界観が演出され、世にも希少な「edition Disney」のエンブレムも装着された。わずか40台の限定車で、中古車市場では幻のクルマになっている。
2)ダイハツの〝ハローキティバージョン〟
久しくご無沙汰となっているが、ダイハツは過去に何度も〝ハローキティバージョン〟を発売している。おそらくもっとも内容的に熱かったのは1999年に発売した2代目ムーヴの特別仕様車「ムーヴ ハローキティ」で、シート表皮を始め、ドアノブやメーターパネル、エンジンキーまでキティちゃん形となっているなど、とくに内装はキティちゃんの世界観に包まれるほどキティちゃんだらけだった。ディーラーオプションにもキティグッズが大量に設定され、究極の女性向け軽自動車という仕様に。
2001年には初代ミラジーノに“ハローキティバージョン”を設定。ごくわずかながら中古車の流通も見られる。トコットも良いが、キティバージョンの再設定を待望する人は多いのではないだろうか?
3)三菱ミラージュ・ハローキティ40th アニバーサリーパッケージ
キティちゃんバージョンを展開したのはダイハツだけではない。三菱は2013年に現行型のミラージュにキティちゃんデザインのパッケージオプションを400セット限定で設定。
「ハローキティ」40周年を記念したもので、フロントバンパーやドアミラーなどにオリジナルのキティちゃんデカールを装着。リボンをあしらったホイールカバーやキティちゃんデザインのシートカバーなどをセットオプションとした。工賃込みで約11万円で、新車でなくても装着できることで話題となった。たったの1台だけながら、三菱は軽自動車の「i」にもキティちゃんコラボ車を企画したことがあった。
4)三菱eKシリーズ・阪神タイガースエディション
阪神タイガースが独走で優勝した2003年、三菱はeKスポーツやeKクラッシィなど初代のeKシリーズと、商用軽自動車のミニキャブに阪神タイガースエディションを設定。タイガースらしいイエローソリッドというボディカラーや「HANSHIN Tigers」のロゴ入りストライプ、球団マークエンブレムなどでタイガース仕様の雰囲気を演出。
ドアを開けると六甲おろしのテーマが流れるという、阪神ファンなら誰もがニンマリする工夫を凝らした。関西地方を中心とした地域限定販売であり、台数はシリーズ合計で303台だったので、現存する個体は極めてレアである。