燃焼の解析できるようになった結果、効率の悪さが判明した
現代のエンジンは、ほとんどが1気筒あたり4バルブを採用していますね。吸気バルブが2つ、排気バルブがふたつという構成で、これはガソリンエンジンもディーゼルエンジンも同じです。そもそも吸気バルブひとつ、排気バルブひとつだった2バルブの構成から4バルブへと進化したひとつの理由は、より多くの空気を取り込むためです。
エンジンは吸い込んだ空気の量以上の仕事ができません。だから吸気バルブを増やして、バルブ面積を大きくすることで、吸入空気量を増やそうというのが狙いなんです。
そういう意味もあって、5バルブエンジンでは吸気バルブを1つ増やして3本にしたものが一般的です。しかしブガッティEB110のように排気バルブを3本にした5バルブもありました。これはターボエンジンで、ターボチャージャーへと向かう排気ガスの流れをコントロールする目的がありました。
クルマ用としては1989年に三菱が世界で初めて量産化していますが、5バルブエンジンのメーカーとして有名なのはヤマハで、その技術を使ったトヨタの4A-Gが有名な5バルブエンジンです。フェラーリもF355で5バルブを採用し、VW・アウディグループもスポーツエンジンを5バルブとしていました。