マイナーチェンジさえしてもらえず細々と続いている状態
国産車の場合、およそ5年前後でフルモデルチェンジを行い、その間に数度のマイナーチェンジを行うというのが一般的なスパンと言われている。マイナーチェンジはモデルライフ途中で新たに追加された法規に対応するようなことはもちろんだが、数年間販売したモデルをテコ入れする意味で見た目などを手直しすることも多い。しかし、なかには大きな変更がないまま細々と売られているモデルも存在する。
なくなるとメーカーのラインアップに穴が空いてしまうという理由の車種もあれば、比較的安定して売れているため、大きなテコ入れが必要ないと思われるものまで理由はさまざまだが、今回はそのような車種をご紹介したい。
1)日産キューブ
「キューブ・マイルーム」というコピーで、まるでソファーのようなシートをウリに登場した3代目キューブ。今見てもその名のとおりスクエアなデザインは古さを感じることはないが、2008年に登場してから約10年に渡って販売されている長寿モデルとなっている。
途中で特別仕様車の販売や仕様変更は何度か行われてはいるものの、大きな変更は2012年に行われた搭載エンジンの改良程度で、見ためが大きく変わるような変更は一度もされていない。そのため、現在は多くの車種で搭載されている先進安全装備も備わっていないのは残念な部分だ。
2)トヨタ・プレミオ/アリオン
それまでのトヨタの5ナンバーサイズミドルセダンの市場を担っていたコロナやカリーナの後継車種として、2001年に登場したのがプレミオ/アリオンだ。現在販売されているモデルは2世代目となり、デビューはなんと2007年となっている。国内ではこのクラスのセダンの需要はそれほど高くなく、年配のユーザーの愛車か法人車両、もしくは警察車両(主にアリオン)のイメージが強い車種だ。
そんな同車の直近のマイナーチェンジは2016年のこと。フロントマスクを大幅に変更し現代風にリファインしただけでなく、複数の予防安全装備をパッケージ化した「Toyota Safety Sense C」を標準装備。フルモデルチェンジはしなくても、年配のユーザーの多い車種に先進安全装備を追加してくるあたりは、さすがトヨタと言ったところか。
3)三菱ミラージュ
三菱のコンパクトカーとして一世を風靡したミラージュ。過去にはスポーツグレードも設定され、ワンメイクレースが開催されるほどのホットハッチとしても知られた存在であった。しかし、2000年に5代目の販売が終了すると、後継車種のコルトにバトンタッチをしてその役目を終えた。なお、ミラージュをコルトの名前で輸出していたこともあり、名称を統一したとも言えるだろう。
そして2012年に久しぶりにミラージュの名前が復活したのだが、それまでのキャラクターとは異なり、タイで生産されるそれまでのミラージュよりもさらにコンパクトなエントリーモデルとなっていた。そのため、実質的なライバルは軽自動車であり、搭載されるエンジンも3気筒の1リッターだったのである。
2015年には大幅なフェイスリフトとともにラインアップを1.2リッターエンジンのみとしたが、2016年にルノー・日産アライアンスの一員となり、マーチと完全にバッティングしてしまっていることから、今後の展開が気になるところだ。