2019年の招致に向けて着々と準備は進む
8月22日、有楽町にてWRC日本ラウンド招致準備委員会から2019年世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンド開催に関するこれまでの活動報告が行われた。
WRCラリー・ジャパンは以前にも開催されていた。2004年に北海道で初開催、かつてWRCには日本の自動車メーカーも多く参戦していたため、大きく盛り上がった。しかし2008年を最後に日本の全メーカーがWRCから撤退し、この勢いを受けるように2010年、ラリー・ジャパンも閉幕となった。
それから時を経て、2017年、トヨタが18年ぶりにWRCに復帰。2018年で参戦2年目となるトヨタだが、先週開催されたWRCラリー・ドイツで今期3勝目を挙げるという大健闘を見せている。
そして国内でも今年1月に大きな動きがあった。WRCラリー・ジャパンの復活に尽力するWRC日本ラウンド招致準備委員会(株式会社サンズ内)が設立されたのだ。WRC日本ラウンドを開催するためには、国内外の多くの組織と交渉しなければならず、その役目を買って出たのがこの組織となる。発足後からこれまで大きな発表はなかったが、8月22日にWRC日本ラウンド招致準備委員会が活動報告を行なった。
まず、WRCの開催を管理しているFIA(国際自動車連盟)に対し、2019年WRC日本開催のカレンダー申請を完了させた。これはまだ申請の段階で、9月に仮確定。12月に行われるFIA内の世界モータースポーツ評議会のなかで、本確定される予定だ。
JAF(日本自動車連盟)を通して、FIAに提出された日本ラウンドの日程候補は11月14〜17日、11月7〜10日、9月12〜15日の3通り。どれも他の国内外のモータースポーツイベントのスケジュールと調整して選出された日程だ。WRC日本ラウンド招致準備委員会の高橋浩司さんは「我々は99%申請が通るつもりで業務を行っています」と堅く語っている。また日本ラウンド開催に対して、WRC主催側からは概ね好印象を抱かれているとのこと。
WRCチームやドライバーの本拠地として予定しているのは愛知県長久手市にある「愛・地球博記念公園」、通称モリコロパークだ。「敷地内にある約5kmほどのサイクリングコースは、ステージになるというアイディアもある」と高橋浩司さんは語っている。そこを中心として、愛知県名古屋市・豊田市・岡崎市・新城市・長久手市・設楽市、岐阜県中津川市・恵那市の一般道や林道で開催される予定だ。
今回の報告会では、そのWRC日本ラウンド招致応援団の結成についても発表があった。フリーアナウンサーの安東弘樹さん、SKE48卒業生の梅本まどかさん、WRCコメンテーターの栗田佳織さん、フィギュアスケーターの小塚崇彦さんというなんらかの形で自動車やモータースポーツに関わりのある芸能人・著名人たちが起用された。
FIAやWRCプロモーターなどとの交渉以外にも、行政や警察、地域の協力なしには、WRCは開催することはできない。開催までにはまだ長い道のりがありそうだが、2010年ラリー・ジャパン撤退以来の日本ラウンド復帰に大いに期待したい。