電動化で車両が静かになったためタイヤの騒音が注目され始めた
自動車の走行時における騒音対策は、これまでエンジンや排気系など、車両に対する騒音規制が中心だったが、そうした規制強化が功を奏した結果、現在ではロードノイズやパターンノイズなどタイヤに起因する騒音が、走行時における騒音の大きな原因として浮上するようになってきた。
これを機に、国土交通省と環境省が「タイヤ騒音規制検討会」を立ち上げ、すでに2018年4月から、国内で初めてタイヤ騒音規制をスタートさせている。
国土交通省の自動車局環境政策課に確認してみたところ、現時点では新規登録車=新車の乗用車が対象で、内容は欧州連合が2013年以降順次導入している「UN/ECE RegulationNo.117 02 Series」、通称「R117-02 タイヤ騒音規制」に準じるものとのこと。
具体的には、エンジンを切って70~80㎞/hで走らせたときに、7.5mの至近距離での騒音基準を72~79db(車種やタイヤの幅によって違う)に収めるのが基準。すでに今年度発売されている新車の乗用車の純正装着タイヤ(夏タイヤ)は、これらの基準をクリアしたものを装着している。
ただし、スタッドレスタイヤに関しては、従来品と同等以上の氷上・雪上での安全性能などを確保しながら、R117-02に適合させるのが容易ではないため、スタッドレスが新車装着されるクルマに関しては、R117-02規制の義務付けを2022年4月まで適用時期を延ばすことになっている。
ハイブリッド車やEVの普及などもあり、クルマの走行時の騒音は年々減少傾向にあるが、幹線道路沿いや都市高速道路沿いでは、依然として、騒音の環境基準をクリアできていない地域もある。環境対策は燃費以外の面でも、これからますます強化されていくことになるだろう。