音や見た目だけでなく性能面でも効果がある
マフラーは消音器、サイレンサーといわれる通り、エンジンの爆発音・排気音を消音するための装置。クルマの近接騒音は、保安基準で厳しく定められていて、現行車(平成11年以降)は、96db以下をクリアしないと車検がクリアできなくなる(保安基準違反)。というわけで、「マフラーを変えて、迫力あるサウンドにしたい」と思っても、車検対応マフラーでは、音量の上限は必然的に決まっている。では、それでもマフラーを交換するメリットはどこにあるのか?
1)排気効率のアップ=パワーアップ
エンジンはある種の空気のポンプなので、排気がスムースに抜ければ吸入効率も上がり、パワーアップが期待できる。純正マフラーは隔壁構造といって、サイレンサーにいくつかの小部屋を設け、その中で膨張・干渉などを繰り返して圧力と温度を低下させ、消音していく仕組みになっている。
これは耐久性、消音性などに優れているが、排気効率や重量の面では見劣りする。
それに対しアフター(後付け品)のマフラーは、サイレンサー内部をストレート構造にして、その周囲をグラスウールなどで囲み音を吸音させて消音させるものが多いので、排気ガスの抜けがよくなり、パワー&レスポンスがアップする。
またパイプの曲げを少なくしたり、パイプ径を太くするのも排気効率のアップに有効。でも排気効率が上がると、音量も上がるのでは、と思うかもしれないが、簡単にいえばサイレンサー(タイコ)の容量を大きくすれば、抜けが良くても音量を抑えたマフラーは作れる。いずれにせよ、公道を走るならJASMA認定のマフラーか、保安基準適合プレートのついた製品から選ぶこと。
パワー&レスポンスアップについては、カタログ等でその効果も確認できるので、性能重視の人はチェックしておこう。
2)ドレスアップ
アフターパーツのマフラーなら、テールパイプのデザインや本数、サイレンサーの形状もいろいろ選べて、リアビューを自分好みにできる。チタンなどのブルーグラデーションのテールパイプも人気。
3)材料置換による耐久性アップと軽量化
純正マフラーはコストの関係でスチール製も多いが、スチールは加工しやすい反面、重くて錆びやすいというウィークポイントも。
アフターのマフラーなら、サイレンサーやテールパイプだけでなく、メインパイプまで含む、オールステンレスあるいはチタンなど、素材から選ぶことができる。ステンレスやチタンなら錆にも強いし、モノによっては軽量化も狙える。とくにサイレンサーはオーバーハング部の軽量化になるので、運動性能の向上にも貢献。ステンやチタンは見た目も美しいので、そうした魅力も!
4)いい音を求めて
マフラーを交換すれば当然、エキゾーストノートも違って聞こえる。前述の通り、保安基準で音量は厳しく制限されているが、音質はマフラーの形状、レイアウト、素材などから多彩に選べる。保安基準の中でも好みの音を探すことはできるので、いろいろなメーカー、製品の音を試聴(メーカーのホームページの動画やYouTubeでも試聴可能)して、お気に入りの音をチョイスしてみよう。
また、マフラーは純正品、社外品を問わず、経年劣化で音量低減効果が衰えてきたり、パイプや溶接部が腐食してきたり(スチール製)して、いずれ交換を強いられる消耗品。そうした消耗したマフラーを交換するときに、純正品は意外に高価なので、場合によってはアフターパーツのマフラーのほうが安いことも珍しくない。
そうした補修部品のひとつとして、アフターのマフラーに交換するというのもひとつの手だ。