求められる要件が異なるウエット性能とスノー性能を両立
コンチネンタルタイヤ・ジャパンは、新コンセプトのパターンデザインとコンパウンドテクノロジーを採用したスタッドレスタイヤ「バイキング・コンタクト7」を、2018年9月より発売すると発表した。14インチから16インチまでの60サイズを取り揃え、今後もラインアップが拡大する予定だ。
バイキングコンタクト7は、雪道やアイスバーン、シャーベット路まであらゆる状況に対応するべく進化を遂げている。シリーズ初となる「左右対称パターン」を採用し、ウエットおよびシャーベット路面での排水性を高めている。
本来、スノー/アイス性能を重視すると、低温時はトレッドパターンの柔軟性を保たなければならないが、ウエット/シャーベット路面では排水性を高めるため、トレッドパターンに剛性を持たせなければならない。すなわち、スノー/アイス性能とウエット/シャーベット性能は、両立させることが難しい技術である。
これらを両立させるため、3つのテクノロジーを新採用している。それぞれについて解説していこう。
ウエット路面でのグリップ力を高めてくれる「ノルディック・コンパウンド」は、濡れた路面でのグリップ/ブレーキ性能を高めるアクティブ・グリップ・シリカを配合。さらに、低温時でも凍りにくい菜種オイルをコンパウンドに配合して、冬の路面で高いグリップ性能を発揮させることが可能に。
あらゆる路面状況において、安定したグリップ力を確保する「インテリジェント・パターン・デザイン」は、V字のメイングルーブが、水やシャーベット状の雪を効率よく中央部から排出可能。
ブロック面積も確保し、高速走行時の高いコントロール性を確保している。また、ソリッドリンケージによりメイングルーブの潰れを抑制することで、ドライとウエットでのハンドリング性能を高めている。同時に、インターロック・ブリッジがブロックの安定性を高めながら柔軟性を与え、ウインター性能も備えている。
雪上/氷上におけるトラクション性能と制動力を確保するのが「アドバンス・グリップ・コンセプト」。ワイドサイプがスノーポケットを形成し、しっかりと雪を掴むことができる。
また、ブロック外側にあるグリップエッジによって、氷上に積もった雪などがトレッド面に侵入することを防ぎ、ワイピング効果によって有効接地面積を増大させている。
また、サイドウォールにもこだわりがある。冬タイヤの性能をアピールするように、氷の結晶とダイヤモンド柄を組み合わせたデザインが施されている。また、雪上性能認定の証であるアルパインシンボルマークも刻まれている。
日本では175/65R14から255/35R20までの60サイズをラインアップ(一部は2018年12月発売予定)している。欧州で鍛えられ、日本の冬事情も考慮されたバイキングコンタクト7。スノー性能とウエット性能を両立するべく誕生したスタッドレスタイヤに注目だ。