いつまでも運転で緊張する人が憶えておくべきこと8つ (1/2ページ)

ドライビングポジションを見直すだけでも違う

 1トンクラスの重たい物体が、一般道でも秒速14m(時速50㎞/h)といったスピードで走るのが当たり前のクルマの運転。慣れない人が緊張するのは当たり前といえば当たり前だが、人は緊張すると、筋肉が固ま
る。

 緊張して筋肉が固まると、新陳代謝が極端に低下し、疲労物質がたまり、身体の動きがどんどん悪くなり、新陳代謝が悪くなることで、脳の機能も落ち込んで、判断が鈍り、思考も低下するので、ある意味危険。
運転すると緊張する人が、どうしたら緊張しなくなるか考えてみよう。

1)服装とドライビングポジション

 まずは簡単にできることから。運転をするときはピシッとした服装ではなく、できるだけ身体を動かしやすい格好で。スーツの上着などは、脱いでから運転したほうがいいし、足もとは軽くて底の薄いスポーツシューズなどがベスト。  

 ドライビングポジションも非常に重要で、まずシートに奥深く腰掛ける。運転の苦手な人、緊張しやすい人ほど、シートに浅く腰掛けている人が多いので、まずはこれを見直そう。背もたれはできるだけ立てて、背中と肩がシートバックから離れないように。

 運転に不慣れな人は、なぜか背中がシートから離れた状態で運転している人が多いが(とくに女性に目立つ)、背中がシートから離れていると、上半身の姿勢を自分の筋力で支える必要があるので、より緊張しやすくなり身体が固まる。体幹部はしっかりシートにゆだねて、肩の力を抜き、常に頭が地面に対して垂直に、目の位置が地面に対して水平になるポジションをキープしよう。

 前後の位置は、シートに奥深く座って、ハンドルの上端を握ったとき、肩がシートについたまま肘が少し曲がって、腕に余裕があるような位置ならOK。下半身もブレーキペダルを一番奥まで踏んだ時、膝が伸びきらなければ合格。

 座面の高さが調整できるクルマなら、ビギナーはやや高めにして、オシリ側より、膝裏に近い側を少し高くしておくとホールド性が増すのでオススメ。リラックスできる環境=ポジション作りがすべての基本だ。

2)クルマの寸法を覚える

 自分のクルマの大きさを掴みきれていないのも、緊張の要因として挙げられる。車体の大きさは感覚で掴むものだが、それが苦手な人は、カタログなどを見て、まず愛車の全長・全幅をミリ単位できちんと暗記すること(例:全長4,545mm、全幅1,755mm)。そのうえで、停止した状態で、家族や友人にクルマの前端、後端、左右のバンパーの端などに立ってもらい、運転席から見える車体の先端の位置の見え方を身体に覚えさせる練習をしよう。

3)アクセル全開&フルブレーキ

 クルマの持っている動力性能が把握できていないのも緊張の原因のひとつ。そこで、周囲に他のクルマがいない安全な環境で、アクセルを床まで踏んで、0→50㎞/hを目安に何回かフル加速を体験してみる。同様に安全な場所を探して、40~50km/hからのフルブレーキの体験も! フル加速、フルブレーキを体験しておくだけで、かなり余裕が生まれ、ポジションの大切さもわかるはず。

4)目線を遠く

 これもよくいわれることだが、軽く顎を引いて、なるべく目線を遠くにする。リラックスしていい姿勢で座ることで、視界も広がるし、なおかつ意識して視線を遠くにするよう努力してみよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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