燃費優位は国産だけじゃない! 個性的で楽しいエコ輸入車
10年前の夏にレギュラーガソリン1リッターの平均価格が180円を超え「200円になったらいろいろな意味でどうしよう」と言っていた頃ほどではないものの、現在(8月8日発表)もレギュラーガソリン1リッターの平均価格は152.1円と高値を推移している。ガソリン価格は世の中の情勢任せだけにどうにもならないが、クルマを買う機会があるなら「燃費のいいクルマにしてガソリン代を抑える」という自衛策もある。
ということで当記事ではマイナーチェンジなども含め登場から1年程度のクルマから燃費がいいだけではない”エコで楽しい旬なモデル”を輸入車から選んでみた。
1)VW UP! GTI(JC08モード燃費21.0km/L)
VW(フォルクスワーゲン)最小となる、日本車で言えばパッソ&ブーン級のコンパクトカー、UP!(アップ)に1リッター3気筒ターボを搭載したスポーツモデル。ボディサイズやパフォーマンスはGTIの起源となったVWゴルフの初代GTIに近く、多くの人に受け入れられそうなバランスに優れた運転する楽しさを備える。
2)メルセデス・ベンツC200(JC08モード燃費は未発表)
メルセデス・ベンツCクラスはヨーロッパではDセグメントと呼ばれる車格におけるプレミアムカーのベンチマーク(基準)となっているモデルだ。
最近行われたマイナーチェンジで2リッターターボを搭載していたC200は同じ名前のまま、エンジンを2リッターターボから同等のスペックを持つ1.5リッターターボ(最高出力184馬力&最大トルク28.6kg-m)に変更し、かつ小型モーターによるアシストも加わる比較的簡易なハイブリッドカーとなった。
日本仕様の燃費はまだ公表されていないが、マイナーチェンジ前のC200の14.2km/Lを超えることは確実であり、燃費と動力性能のバランスに優れたモデルの筆頭となりそうだ。
3)メルセデス・ベンツS450(JC08モード燃費は未発表)
6気筒エンジンは衝突安全性との兼ね合いなどにより前後方向に短いV6エンジンが主流となっており、現在前後方向に長いと言われていた直6エンジンを使うのは伝統を持つBMWくらいであった。しかしベンツは技術の進歩によりV6エンジンより短い3リッター直6エンジンを開発し、Sクラスに搭載した(前後方向の長さが解決できれば、直6エンジンはV6エンジンに対しカムシャフトなどのパーツ点数の少なさによるコスト的なメリットなども持つ)。
新しい3リッター直6ターボが搭載されるS450はエンジンのスペック自体はそれまでのS400の3リッターV6ツインターボと同等(最高出力367馬力&最大トルク51.0kgm)ながら、前述したマイナーチェンジされたC200と同様の小型モーターによるアシストも備わる。
日本仕様の燃費はまだ公表されていないが、本国仕様の総合燃費は約13km/L台とサイズや排気量を考えれば望外なほどで、一般的な価格帯ではないものの、エコと楽しさを両立したモデルには違いない。
4)シトロエンC3(JC08モード燃費18.7km/L)
シトロエンのコンパクトカーであるC3は、何よりも個性的な内外装が魅力だ。クルマ自体も日本人がイメージするフランス車らしいしなやか、柔らかさが濃厚で、万人向けとはいえないにせよ、個性豊かだ。エンジンは日本製の6速ATと組み合わされる1.2リッター3気筒ターボを搭載。最高出力は1.5リッターNA、最大トルクは2リッターNA級なのもあり、コンパクトカーとしては力強い加速を楽しめ、余裕も十二分な上、3気筒エンジンのエンジン音もユル系、和み系キャラのC3には似合っている。さらに価格も219万円からと、そのくらいする日本車のコンパクトカーも少なくないのも考えれば、なかなかリーズナブルともいえる。燃費はJC08モード燃費で18.7km/Lとコンパクトカーとしてはいい部類ではないが、動力性能や個性に魅力を感じるなら納得できる範囲なので(残念ながらガソリンもハイオク指定だ)、クルマに趣味性やファッション性を求めたい人には面白い選択肢となるだろう。
5)ボルボXC60 D4(JC08モード燃費16.1km/L)
XC60は内外装のデザイン性、クオリティの高さ、各種安全性の高さなどを理由に日本でも人気急上昇中となっているボルボのミドルSUVである。販売開始当初からラインアップされていた2リッターターボのT5も動力性能と燃費のバランスはなかなかだったのだが、後から加わった2リッターディーゼルターボのD5は車重が重く、走行距離が多いことも多いSUVのXC60には燃費もいい上に力強い相性のいいピッタリのエンジンだ。価格はT5に対しD4は30万円高いが、走行距離が長い人なら比較的短期間で差額もペイできるだろう。