上抜き? 下抜き? オイル交換の方法はどちらがいいのか (2/2ページ)

上抜きではボルトのパッキンを交換せずに済む

 一方の上抜きのメリットは、逆にボルトを外さなくても交換ができるということがまずある。ボルトには専用のパッキンが付いているが、ボルトを外してしまうと、新品に交換しなくてはならず、用意できない場合は交換できないことも。

 たとえば、さまざまな車種のオイル交換に対応するガソリンスタンドでは上抜きが多いのだが、その大きな理由としてこのパッキン問題がある。

 また、経験不足のスタッフによるボルトの締め付け不良によるトラブルもあるが、上抜きならそれも起こらない。

 デメリットとしては、細い穴から管を通して抜くので、必ずしもオイルが溜まっているところに先端が当たるとは限らないということがある。さらに最近のクルマはコーナー時の偏りや揺れによる騒音を防ぐために内部にバッフルというしきりが入っていて、抜きにくくなっている。

 上抜きはまさに手探りでノズルを入れる必要があり、うまく当たれば下抜きで抜けないオイルも抜くことは可能ではあるが、実際は難しいことも多い。それが証拠に、まず上抜きでオイルを抜いてから下抜きをするとけっこうな量が出てくる。

 まさにどちらも一長一短だが、問題のない量は抜けるので、気にしなくてもいいレベルではある。もし気になるなら、下抜きで抜いてから、上抜きでノズルを動かしながら残ったものを少しでも吸い上げるという感じで作業してもらうといいだろう。

 それよりもオイル交換をしないほうが問題だけに、まずは定期的な交換を励行して欲しい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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