名車なのになぜ? 一世代限りで消えた悲運のクルマ4選

優れたコンセプトでファンを獲得するもモデルチェンジはなし!

 名車というものは多くのユーザーに愛されて、何代にもわたって継続生産されるもの。そのため、一世代限りで終わってしまった名車というのもやや矛盾をはらんでいるような気もするが、「今考えてみると一世代で終わってしまうのは惜しかったな」と思えるような車種たちをご紹介したい。

1)トヨタ・プログレ(TOYOTA PROGRES)

「小さな高級車」と言ってもコンパクトカーやベーシックカーに上級装備を追加しました的なものではなく、トヨタが本気で(ほぼ)5ナンバー枠内で高級車のノウハウを詰め込んだクルマを作ったらこうなった、というのを見せつけてくれたのがプログレだった。

 なんせ当時のセンチュリーのチーフエンジニアが指揮を執り、5層コートの塗装や吸音材をふんだんに使用した内装、本物の木材を使用した木目パネル等、妥協なしの作り込みを見せていた。搭載されるエンジンも直6の2.5リッターと3リッターで、後期型には5速ATが採用されるなど動力性能も充分だった。

2)日産・デュアリス(NISSAN DUALIS)

 元々は欧州市場に向けて投入されたミドルクラスのクロスオーバーSUVであったデュアリス。そのため、当初は英国のサンダーランド工場で生産されたものを輸入する形をとっていたが、予想以上に好評だったためのちに九州工場での生産に切り替えられたほどだった。

 日本で乗るにはちょうどいいサイズのクロスオーバーSUVであることも魅力だが、とくに英国製の初期型はザックス製のサスペンションのセッティングが素晴らしく、そのハンドリングの虜となったユーザーも少なくなかった。中古車しか購入できない現在では、新車時の感覚は味わえないかもしれないのが残念だ。

3)ホンダ・CR-Z(HONDA CR-Z)

 ハイブリッドカーはつまらないもの、という概念を打ち砕くべく、2+2シーターのコンパクトクーペスタイルを採用したのがCR-Zだった。その名前からも分かるように、往年のコンパクトスポーツであるCR-Xを彷彿とさせるデザインが採用されていた。

 ハイブリッドシステムが搭載されていることで、決してライトウェイトとは言えない1130kg(MT車)ではあったが、モーターのアシストを受けながらの走りは思いのほかスポーティであり、マイナーチェンジでバッテリーをリチウムイオン電池に換装するなど、アップデートも続けられていた。現在、MTで楽しめるコンパクトなハイブリッドカーがないのは残念至極である。

4)スバル・ヴィヴィオ(SUBARU VIVIO)

 当時のアルトワークスやミラターボといった軽スポーツに割って入ったのが、1992年にレックスの後継車種として登場したヴィヴィオだった。ライバルがターボで武装しているところ、スーパーチャージャーを搭載していたのも特徴のひとつと言えるだろう。ラリーのイメージの強いスバルだが、実際に1993年のサファリラリーに参戦し、クラス優勝を勝ち取っている。

 また、レトロスタイルのビストロや、タルガトップを備えたオープンモデルのT-TOP、4ナンバー登録のバンまで幅広いラインアップを誇っていたのも特徴のひとつ。ハイトワゴン系に人気が集中するという時代の流れには逆らえなかったが、未だに根強い人気を誇る車種だ。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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