需要より少なく作れがエンツォの教え!
フェラーリは、受注数とは無関係に生産台数を決めている。「需要より必ず1台少なく作れ」というのは、フェラーリ創業者・エンツォ・フェラーリの言葉だが、それを守っているのだ。
ところで、458シリーズには、もっと高値を維持しているモデルがある。458スペチアーレだ。中古フェラーリ専門店・コーナーストーンズの榎本 修社長によると、458スペチアーレの実勢取引価格は4300万円前後。新車価格は3390万円だったので、大きなプレミアが付いている。
「458イタリアは、ゆっくり相場が下がっていますが、スペチアーレはいまだに上昇中です」(榎本社長)
私が乗っていた458イタリアと458スパイダーを乗り比べたら、イタリアでも十分すぎるほど速いし、乗り心地もいい。ギリギリ公道でも楽しめるが、スペチアーレは、あまりにも速すぎてスパルタンすぎて、公道に走る舞台など存在しない。
マトモに評価をすれば、明らかにお安いイタリアの方がいいクルマ(?)なのだが、スペチアーレは希少なスペシャルモデル。フェラーリにとって実用性など無意味であり、希少性のほうがはるかに価値があるのだ。